三菱自のPHVと新安全技術の実力 トヨタ、スバルを追走
エコカーとして注目を浴びる電気自動車(EV)。しかし、エンジン車に比べると短い航続距離や不足する充電インフラに難色を示す消費者は少なくない。その難点を克服すべく登場してきたのがプラグインハイブリッド車(PHV)である。
PHVはエンジンと駆動用バッテリーやモーターを組み合わせた車種で、時にはガソリン車として、時にはEVとして走行できる。充電が切れた場合にも、走り続けられるワケだ。すでに国内ではトヨタ自動車が今年1月に「プリウスPHV」を投入。今年6月までに国内外で累計1万1300台を販売している。
EVが本格的に普及していくには、EV自体の航続可能距離が伸びることや充電インフラの整備が不可欠となる。その前段階としてPHVが注目される中、世界初のSUV(スポーツ多目的車)タイプのPHVを三菱自動車が投入する。
今回投入するのは三菱自の主力車種であるSUV「アウトランダー」をベースにしたPHV(=写真=)だ。13年初の日本での販売を皮切りに欧州や北米など、まずは先進国を中心に展開していく。目標とする複合燃料消費率は61km/リットル以上と、トヨタの「プリウスPHV」(同61km/リットル)を意識した数値となっている。
9月5日、東京・田町の三菱自動車本社で開かれた記者会見で、開発統括部門長の中尾龍吾取締役は「先進国や新興国でCO2(二酸化炭素)の排出量の規制が段階的に強化されてきており環境対応は自動車メーカーとして重要な責務だ。三菱自動車としては航続距離が必須となるSUVでのPHVを展開していく」と力強く語った。