100のモノが語る世界の歴史 1、2、3 ニール・マクレガー著/東郷えりか訳

100のモノが語る世界の歴史 1、2、3 ニール・マクレガー著/東郷えりか訳

全3巻の邦訳が完結した。大英博物館の膨大な所蔵品から100点を精選。人類の遺物という物証の詳細な解読によって世界の歴史を再構成した。館長で美術史家の著者は、文明が何を作り上げ、何を捨てて現在に至ったか、豊かな知識と巧みな文章で記述する。

選ばれた所蔵品は、200万年前の石器から、唐三彩、インカの黄金像、フラドタブレットといった古今の逸品ばかりではない。日本からは縄文のつぼ、銅鏡、柿右衛門の象、北斎「神奈川沖浪裏」を収載。見逃されてしまいそうな地味な物も多く含まれ、そうした物から意外な制作動機、作り手の素性、消えた文明の素顔が、ミステリーを読むように浮かび上がってくる。

物には固有の来歴がある。その痕跡を子細に調べ、想像力を働かせると、そこから声なき声が聞こえる。とかく先進国の博物館は展示品が略奪物だと非難されがちだが、語り手の卓越した理解力と臨場感で、その役割を再認識させられる。

筑摩選書 1=1995円

  

筑摩選書 2=2205円

  

筑摩選書 3=2205円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 就職四季報プラスワン
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 赤木智弘のゲーム一刀両断
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「未来を知る」ための読書案内<br>ベストブック2021

先を見通せない日々が続きますが、本を開けばアフターコロナ時代のヒントがあふれています。本特集では、有識者や経営者、書店員らが推薦した200冊を掲載。推薦数の多い順にランキングしました。あなたにとっての珠玉の1冊を探してみてください。

東洋経済education×ICT