節電・省エネで脚光、我慢不要の「スマートビル」 清水建設本社など続々
こうしたムードを打破するには、「行政は、ビルオーナー側に申請したいと思わせるようなインセンティブをもっと効かせる必要がある」とビル業界団体幹部は主張する。具体的には、たとえばボイラー更新など定期的な改修時に、高効率な照明や空調への切り替えを一元的に実施できるよう、「投資減税や協力テナントへの補助など法整備を国が行うべき」(同)と言う。
オフィスビルは新築ラッシュの影響で、供給過剰感が強まっている。収益面などで厳しい中小ビル事業者にとっては、テナント入居率が下がると、省エネビルへの建て替えや大型改修どころか、ビルを手放さざるをえないほど経営が追い込まれるおそれすらある。「省エネビルの周辺に廃墟となった中小の空きビルが目立つようになる」(不動産融資担当者)との悲観的な見方も聞こえてくる。
省エネビルラッシュの裏側で、こうした中小ビルの没落を招かないためには、行政側にも、不動産マーケットの新陳代謝を適切に進めるといった手腕が求められそうだ。
(古庄 英一 =東洋経済オンライン)
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