「働き方革命」は、日本でも始まっている 創造性を高めるワークスタイルとは?

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佐々木:それから、面接のフィードバックは必ず全員に書いてもらいます。経験の少ない面接官は、より経験豊かな面接官が書いたフィードバックを読んで、どうしてこう感じたか、こう考えたかを聞いていく。それを繰り返しているうちに、だんだん目線が合ってきます。

精度を上げるには、場数を踏むしかありません。場数が重要ですから、面接官として自分が出したフィードバックに対して、別のベテラン面接官からフィードバックを受けるということを定期的にやることがとても大事です。

それから、フィードバックのフィードバックは、各面接官がフィードバックを出した後で行います。不十分であれ、先にフィードバックを出してもらう。そうしないと、声が大きい面接官の意見に別の人たちが流される、ということになりかねないので。

あなたのザ・ベストって誰?

参加者:田中さんに質問です。社員紹介を活性化するような取り組みをされておりましたら、それを教えていただけますでしょうか。

田中:社員紹介は、僕らもうまくいっているわけではありませんが、多いほうだとは思っています。社員に、「転職しそうな人を紹介して」とただ伝えても、誰も紹介してくれません。そこで、「転職するかどうかは定かでなくていいから、オフィスに遊びに来てって気軽に話せる友だちがいたら、呼んでみてよ」と言っています。

それが、「この先1年ぐらいは本当に転職意欲がない」という人でもいいと思っています。まずは、候補者のリストをつくるところから始めないと。転職してくれそうな人をいきなり紹介してもらうのは、たぶん無理だと思いますね。

角川:社員紹介で成功したやり方が1つあります。「ザ・ベスト」という企画です。これは、社長が社員に対して、「あなたのザ・ベストって誰?」と聞くのです。転職を考えているかとか、そういうことは言わずに、とにかく「ザ・ベストって誰?」と聞くと、「絶対転職しないと思いますが、前の職場の誰々さん」というように名前が挙がるのです。

それで、その人に会わせてほしいと伝えて、いきなり社長が会うようにします。うちの社員から見たベストですから、前段階の面接は絶対通る。ということは、面接不要でいきなり口説きから入ってもいい。

相手側からしても、いきなり社長が会いに来るということで、会う時間をつくってくれる。普通のアプローチだと、「可能性はないね」という段階から始めなくてはいけない相手でも、意外とこのやり方でうまくいったりすることがありました。

週3日労働を受け入れるか?

参加者:私が勤めているIT企業では、今後新世代のミレニアルズが増えるから、そのミレニアルズをいかに魅了するかが大事だ、という話をしています。前の世代の人たちに比べると、私生活も大事にしつつ、でも仕事もしたいという世代のことです。

アメリカでは、ミレニアルズへの対応が重視されているようですが、登壇者の皆さんは、最近の若い人は価値観が違うなってお感じになることがありますか。もしあるとすれば、それに対してどのように対応していらっしゃるのかを、うかがってみたいです。

佐々木:僕たちは以前、「ゆるい就活」というイベントをやったことがあります。毎日でなく週3日働いてください、というようなものです。このイベントで集まった方を実際に採用したところ、すごく優秀な方でした。

今日も、週3日で働きたいという人が会社に来ました。とても優秀な人です。そうしたことからも、ライフスタイルとしての週3日労働という働き方は、当然ありだと考えています。

池見:「最近の若い者は……」というフレーズがありますよね。これはエジプトのピラミッドの中にも書かれているそうです。はるか昔から、若い人たちのことを年配者はそう思っていたのですね。

いまのお話で僕が思ったのは、HR(ヒューマンリソース)事業会社として、groovesは多様性を受け入れざるを得ない、ということです。

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