一方、同じ大学のS美さんはK子さんほど優秀でなく、TPPについて説明できないほどでした。ただし、彼女は行動力がありました。一応、食品業界を志望していましたが、1日インターンシップにどんどん参加。機械、商社、金融やマスコミのものまで参加していました。
このK子さんとS美さん、就活の結果はどうだったと思いますか。内定を数多く獲得したのは実はS美さんで、K子さんは残念ながら志望企業にことごとく落ちてしまったのです。
2人の差を分けたものは何だったのでしょうか。それは「生真面目さ」と「同時進行」でした。ひとつひとつを着実にこなしていかないと済まないK子さんは、まず自己分析に着手。それ以外のことになかなか進めませんでした。
一方、S美さんは「同時進行」で自己分析やインターンシップ、適性検査対策に少しずつ手を出していました。結果的に、いろいろ手を出したことがS美さんの成長につながり、企業から評価されることになったのです。
就活は受験勉強とは違う!
女子学生の中でも真面目な人は、何か1つのことをきっちりやってから次に進もうとする傾向があります。こうしたやり方は、大学受験などの勉強には当てはまるでしょう。英語なら、五文型を覚えてから次に進んだほうがいいに決まっています。基礎をすっ飛ばして、応用に取り組んでも、それは無理というものです。
ところが、就活ではこの発想が実は通用しません。同時進行で色々と取り組まなければ間に合わないのです。特に「自己分析は就活の基礎であり、しっかりやるべき」とする専門家もいれば、「そうではない」とする専門家もいます。
私の意見は後者に近く、「自己分析だけやればいい」とは思いません。特に分厚い自己分析本を就活序盤に仕上げようとしたら大変です。読書習慣のある学生でも1カ月、そうでなければ数カ月は潰れてしまいます。
自己分析だけに一定期間を費やしてしまうのは効率的ではありません。中途半端であっても、同時進行で自己分析以外のことも行ったほうががいいのです。
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