平和・PGM連合が繰り出す資本増強策とは

子会社優先株なら希薄化せず開示も不要!?

 

このうち、第2四半期中に120億円の優先株を発行したのはPGP。引き受けはPGMホールディングスの発行済み株式総数の8割を握る親会社であり、自らも東証1部に上場しているパチンコ・パチスロメーカーの平和である。

配当条件は年利3.5%相当の金銭配当。普通株への転換権は付与されておらず、平和側から買い取りを請求する権利も付いていない。一方で、PGP側からはいつでも買い戻せる。

PGMホールディングスにとってPGPは連結対象の100%子会社であり、引き受けた平和は親会社。したがって、平和の連結決算上は内部取引で相殺され、どこにもその痕跡は現れないが、PGMホールディングスの連結決算上は、この優先株120億円がPGMホールディングス以外のPGPの株主の持ち分として、純資産の部の少数株主持分に計上される。

このため、PGMホールディングスの連結上は、資本金も資本準備金も増えず、株式の希薄化も起こらずに、純資産の部だけが120億円分底上げされる。

現在のPGMホールディングスの株価は6万円弱。仮に同社が120億円の資金調達をするため、時価で平和引き受けの第三者割当増資を実施すれば、16%程度の希薄化が起こる。平和の株式保有割合は現在の80.4%からさらに上昇して83~84%程度になる勘定だ。それが子会社発行の優先株であれば、希薄化リスクも、さらなる流動性の低下も回避できる。

120億円に対する3.5%の金銭配当というと、年額およそ4.2億円。発行登記が6月下旬なので、6月下旬の発行だったとすると、今12年12月期は半年分で2.1億円。この金利負担は会計ルール上は営業外費用には計上されず、当然特損でもない。損益計算書上は当期純利益の1行上にある少数株主利益で調整されるので、PGMホールディングスの営業利益、EBITDA、経常利益のいずれにも反映されず、純利益だけに反映される。

スキーム自体は、数年前までメガバンクがBIS規制上の自己資本比率の底上げ目的で盛んに発行していた優先出資証券とよく似ている。バーゼルII(06年3月に規制化された新基準)ではTier1(中核的自己資本)に優先出資証券での調達分を加算できたためで、普通株への転換権がない点や、引き受け側に買い取り請求権がない点、発行体側には随時買い戻し権が付いている点などだけでなく、クーポンも3%台~4%台後半が大半という点でもよく似ている。

 

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