ワシントン・ポストがNYタイムズに勝った! そのデジタル戦略を分析してみると?
ソーシャルメディア内の効果測定を提供する「Newswhip」は、「ワシントン・ポスト」がエンゲージメント数が多いパブリッシャーのベスト20に入ったとしている。
モバイル
ソーシャル利用のモバイル化により、モバイルからのトラフィックは大きな注目を浴びている。過去1年で同紙のオーディエンス総数は59%伸びた(comScore集計)。
PCのオーディエンスは6%の成長に過ぎなかったのに対し、モバイルでは倍近くに増えた。この成長には、同紙がこの1年間大きな力を注いできたモバイルアプリが寄与しているようだ。
バイラル
ほかの報道機関同様、同紙の編集局でも硬派なニュースとバイラルしそうな記事との間で、バランスを取ろうとしているのが、人気記事ランキングの傾向から分かる。マーティン・バロン編集主幹はスタッフ宛のメモのなかで、こうした記事の混在によって、10月のトラフィック数が記録的な水準になったとしていた。
一方で、もっとも読まれた記事はシリア情勢や大統領選ではなかった。同紙のブログに寄稿しているアレクサンドラ・ペトリ氏による、現代女性が「下品」に思われないようにする言い換え集。つまり「ソーシャルで受けそうな解説記事」だった。
このほかにもっとも読まれていた投稿としては、踊る警察官とローマ法王に祝福される少年を特集したバイラル動画と「大多数という幻想」の概念をゲームを使って説明したインタラクティブ記事があった。
Facebook戦術の熟達を示す、もうひとつの証拠は、ユーザーの投稿に対するアクションが「ニューヨーク・タイムズ」よりも活発なことだ。ソーシャルメディア測定ツールを提供するクラウドタングルが、ユーザーのアクションの多さを示す「インタラクション率」で明らかにしている。