「アドブロックで稼ぐ企業」は許されるのか メディアに課せられる新たな重荷とは?

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広告をブロックするソフトウェアを提供しつつ、抜け穴となるソフトウェアを提供(イラスト : サイクロン / PIXTA)

広告をブロックするソフトウェアを使うオーディエンスが増えゆくばかり……。そんな現実を嘆くパブリッシャーもいるだろう。一方、アドブロック(広告遮断)の抜け穴となるソフトウェアを提供するベンダーも増えつつある。ただし、それらのベンダーが要求する対価が、パブリッシャーの新たな重荷となりかねない。

「より良い広告フォーマット作りを促している」

この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

人気ソフト「アドブロック・プラス」で業界をリードするドイツのEyeo GmbHは、GoogleやAmazonを含むパブリッシャーなどに対して、許容できるクオリティの広告に関しては「ホワイトリスト」に含めるとし、リスト入りの対価を要求している。

「アドブロック・プラス」が同様のツールの急先鋒となるので、「『病を広めておきながら、その治療法を同時に触れて回るマッチポンプ商法なのではないか』」との批判も出ているという。これに対し、より良い広告フォーマット作りを促しているだけだと、アドブロック提供者側は主張している。

また、アイルランド発の新興ベンダーであるページフェア社は、ブロックされたバナー広告を復元できるツールを販売している。ページフェア社はアドブロック騒動の引き金となったレポートを発表したことで知られる企業だ。同レポートは世界で2億人がアドブロックを利用し、218億ドルの損失が生じていると伝えている。

あからさまなベンダーもいる。ニューヨークに本社のあるソースポイント(Sourcepoint)社は、Googleの役員だったベン・バロカス氏らテクノロジー界のベテランによって創業された。パブリッシャーが表示を望む広告をすべて、ブロック解除できるサービスを6月に開始。インターネット調査・計測企業comScoreのトップ100サイトのうち、12のパブリッシャーが同社の製品を利用している(社名非公表)。

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