352万トン--世界の肥満の大人が抱える「ぜい肉」の総量《気になる数字》

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 世界の成人人口46億人の総体重(バイオマス)2億8700万トンのうち、BMI(体格指数)が30以上の「肥満」の人が抱える「ぜい肉」の総量は352万トンであることがわかった。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究チームが今年6月に発表した(データは2005年時点のもの)。このぜい肉のうち34%が北米、26%が欧州で占められており、日本を含む、人口の61%を占めるアジアはわずか13%にすぎない。

北米では人口の7割以上が「太りすぎ」「肥満」とされ、平均体重は80.7キログラムと、世界平均の62.0キログラムを大きく上回っている。世界中の人が米国人並み(平均BMI28.7)に太ると、総体重は5800万トン増加し、ぜい肉の総量も1879万トンと5倍以上に膨れ上がる。その結果、増えたぜい肉を維持するため、さらに4億7300万人分の食料が必要になると試算している。

逆に、世界中の人が日本人並みの体型(平均BMI22.9)になれば、総体重は1460万トン軽くなり、ぜい肉は25万トンに急減。必要なエネルギー量が減少し、1億0700万人分の食料が節約できるという。

調査報告は、多くの肥満人口を抱える先進国の過剰な食料消費が、食料価格の上昇を誘い、貧しい国の人々に影響を与えていると指摘している。

自身の健康のためにも、世界の健全な公平のためにも、やはり肥満は解消したほうがいい。

(データ事業局・加藤千明 =週刊東洋経済2012年8月11-18日合併特大号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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