EVの燃費向上や産業用ロボットの小型化などにつながる安川電機の新技術とは

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 インバーター単独での小型化は他社も手掛けているが、コンバーターとの一体型を小型化したのは安川電機が初めてという。安川電機はインバーターで世界首位、産業用ロボットやサーボモーターなども手掛け、この分野における技術ノウハウを豊富に持ち合わせている。装置を一体型にすることで、モーターをより安定的に駆動させることができるという。 


(次世代ドライブシステム=左=と従来の汎用インバータ、体積がまるで違う)

 表舞台からは見えにくいが、この技術が具体的な製品に採用されるのは2014年度ごろになりそうだという。ただ、「まだ具体的なアプリケーション(適用方法)は設定していない」(技術開発本部・エネルギー変換技術グループ長の筒井幸雄氏)。

今後、さらなる小型化が進めば、ロボットにこの装置を埋め込むことも可能となる。ヒューマノイド(人型)や介護など向けのサービスロボットの高性能化にもつながるという。ただ、実際の製品の適用にはコストの壁がまだまだある。どれだけ広く普及することになるかは未知数だ。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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