就活に役立つ!「会社四季報」使いこなし術【第4回】--志望企業は儲けている?数字の組み合わせで弾き出せ
会社四季報の【業績】欄を見るとわかるように、利益には「営業利益」「経常利益」「純利益」の3項目があります。それぞれに意味があるのですが、もっとも基本として理解しておきたいのが営業利益です。営業利益は簡単に言えば、「本業でいくら儲けたか」を示す数字です。専門的に言えば、「営業利益=売上高−売上原価−販売費・一般管理費(販管費)」で算出します。
簡単に言えば、ある商品をつくっているメーカーがあったとします。販売しておカネを稼いだ金額の合計が売上高、原材料の仕入れにかかったおカネや工場で働く人の給料、工場や建物、機械などにかかったおカネを利用年数に従って算出する費用(減価償却費といいます)などを含んだのが売上原価、営業や本社の人件費や広告宣伝費、配送費、不動産賃料などのその他もろもろが販管費となります。
第3回でも解説したように売り上げの大きさは、企業の規模を示しますから売り上げと営業利益の大きさを見ていくと、どれだけ大きな金額を動かして儲けているのかということが分かります。複数の志望企業や志望業界の動向を調べると一目瞭然です。
次に見ていくポイントは、「どれだけ効率的に儲けているか」という視点です。年間100億円の売り上げを上げているA社とB社という2つの企業があるとしましょう。A社の営業利益は5億円、B社は3億円だったとします。言うまでもなく答えはA社のほうが効率的に儲けていますよね。
こうした分析に使うのが利益率という考え方です。営業利益率の場合、数式で表すと「営業利益÷売上高×100%=営業利益率」で割り出せます。つまり、売上高が大きくても同業他社と比べて営業利益率が低い会社は、効率的に儲ける力が弱いという判断ができるのです。