就活に役立つ!「会社四季報」使いこなし術【第4回】--志望企業は儲けている?数字の組み合わせで弾き出せ
前回までの連載では、会社の概要や規模をどのように調べたらいいかということを解説してきました。そのポイントに沿って「会社四季報」をパラパラとめくってみると、志望企業の具体的なイメージが少しずつ見えてきたのではないでしょうか。では今回は、もう少しシビアな視点で企業研究をしていきましょう。テーマはズバリ「儲けている会社かどうかの見極め方」です。
まず基本となるのは、第3回にも登場した「売上高」(業種によっては営業収益、経常収益ともいいます。この連載ではまとめて売り上げと表現します)です。いくらコストを切り詰めても、売り上げなくして利益はありえません。
ここで売り上げをもう一度おさらいしておきましょう。売り上げとは、「企業が製品や商品、サービスなどをお客さんに販売、提供した結果、受け取った金額の合計」のことです。前回はこの点に触れていませんでしたが、売り上げを分解すると、実は「数量×単価」で成り立つことがわかります。これは意外と重要だったりします。
一例としてインターネットで生命保険を販売するライフネット生命保険を上に紹介しました。ライフネットは保険業という業態の特性から、通常のメーカー(製造業)や小売業などと違って、売上高に当たる項目を「経常収益」で示しています。単位は百万円ですから下2ケタを切り捨てると億円単位ということです。ざっと見て分かるのは、ここ数年、売り上げが急速な勢いで拡大していることです。まさに成長まっさかりといえます。
日本は人口減少時代に突入し、少子高齢化が進む中で経済の規模は少しずつ縮んでいっています。また、日本は社会にモノやサービスがあふれ返ってしまっているために、競争激化によってモノやサービスの値段が下がりやすい傾向が、2000年代初頭から続いています。これをデフレといいます。