「ビッグデータ」でさらに進化するO2Oの世界《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》


東急電鉄は、街づくり事業の立場からO2Oに取り組む。特徴としては、活用するデータの範囲、種類が幅広いこと。利用者の属性や屋外での行動履歴だけではなく、商業施設など屋内での利用者の位置情報や行動履歴を追跡・活用する。また、将来的には街中のさまざまなデータを収集・分析しO2Oサービスに活かすことも考える。各種機器に搭載されたセンサーやカメラのデータなど、街全体のあらゆるデータを融合して利用者に提供できる付加価値を上げる。

事業エリア拡大を狙う通信キャリア

ソフトバンクやKDDIなどの通信キャリアも無関係ではない。彼らは、O2Oの主役となるスマートフォンを提供する。

O2Oで活用が期待されるビッグデータの主な収集手段は、スマートフォンになる。ソーシャルメディアへの投稿もスマートフォンからが主流となっていく。将来的にはモバイル決済の普及が進むだろう。クーポンの配信やポイント管理もスマートフォンで行うようになれば、おサイフを持たない世の中になる。ということは、位置情報、行動履歴、購買履歴などのデータが収集できるということ。各通信キャリアがこのサービスにどんなかかわり方をするかどうか要注目だ。

ソフトバンクは、米PayPalとの合弁会社、PayPal Japanの設立を発表した。カードリーダー式のモバイル決済「PayPal Here」を導入するという。リアル店舗が、クレジットカードなどによる支払いを受けることができる。リアル店舗での決済情報データが取得できることを期待している。

今後、ソフトバンクグループは、PayPal JapanとYahoo! JAPANを連携させ、ビッグデータの有効活用を視野に入れる。

ビッグデータを活用したビジネスでは、企業が競争力をより高めるため、社内データだけではなく外部のデータも取り込もうとする。

O2Oビジネスにおいても、各プレーヤーは戦略的提携を結ぶ。相互の利用者ID、ポイント、加盟店情報などの連携を進める。より多くの顧客の囲い込みが可能になり、関与するデータもより増大するからだ。

12年6月、ネットとリアルのビッグ2の統合として世間をにぎわせたのが、Yahoo! JAPANとCCCとのポイント事業での提携発表だ。

両社のポイントは「Tポイント」に、ネット上のIDは「Yahoo! JAPAN ID」に統一する。12年10月、CCCはTポイントの運営事業を担う新会社を設立予定だ。Tポイントの会員数は約4000万人、約4万6000店舗が導入、11年度の年間取扱高は約2兆円に上る。一方Yahoo! JAPANはアクティブ利用者ID数が約2600万人に達する。店舗数はEコマースが約3万7000店舗、Yahoo!ロコ加盟店が約18万店舗、11年度年間取扱高は約1兆円という(数字は12年6月時点)。

この提携によって、ネットとリアルの超強力タッグが実現する。日本最大級のO2Oプラットフォームが可能になるだろう。

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