投資大好きFPが郵政IPOで失敗したワケ 「IPO銘柄」で儲けるためのコツ教えます

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後講釈としてザックリ総括すれば、郵政グループの成長性には課題があるものの、配当の魅力、公開価格そのものの割安感(1単位で14万~22万円)、そして圧倒的な知名度等が注目され、堅調な初値形成となったわけです。

あと、決して不人気だったわけではなく、応募倍率はおおむね5倍~15倍程度あったようで、どうやら私は運が良かったみたいでした。

そうなってみると、すべてではないものの、一部を当選辞退してしまったことに、大いに後悔するわけです。逃がした魚は大きい、のたとえどおりです。

差し引き「5万円の悔しさ」が残った

私の場合、IPOへの投資は、基本的に初値付近での高値売却を基本にしていますので、今回も、ほぼすべてを初値付近でサクッと売却して25万円程儲かりました。ただその一方で、当選を辞退して儲け損なった約15万円が悔しく、まるで15万円損した気分になったのでした。

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投資の心理学によると、「損失の悔しさ」は「利益の喜び」の2倍大きいと言われています。となると、この15万円の悔しさを埋めるには、30万円分の儲けが必要となります。しかし、今回の儲けは25万円ですから、差し引き5万円の悔しさが残ったわけです。

あと、どさくさに紛れて、「一番値上がりしたかんぽ生命だけ、なんで100株しか当選しなかったんだ」と、当選への感謝のカケラもない思いもふつふつと湧いてくる始末です。

想定外のこと(今回では「予想外の大量当選」)が起こると、当たっただけで嬉しいはずのIPOでも、いろいろ余計なことを考えてしまうものです。

さて、12月は年末のIPOラッシュですが、郵政IPO当選の反動か、残念ながら、あれから1つも当選できません。もっとも、当選したらしたで、またいろいろ余計なことを考えてしまいそうですが・・。
 

藤原 久敏 ファイナンシャルプランナー

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ふじわら ひさとし / Hisatoshi Fujiwara

ふじわら ひさとし 藤原FP事務所代表。1977年生まれ。大阪市立大学卒業。大学などでの講師も務める。著書に『FPの極意がわかる本』『あやしい投資話に乗ってみた』など多数。
 

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