健康志向に乗りアウトドアなどパーソナル向け成長、五輪は裏方で選手を支援する--西田明男・ゴールドウイン社長

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--売り方についても、直営店や自主管理売り場に力を入れている点で同業他社と異なる。

マルチブランドを展開する当社として、それぞれのお客様にどういう形で紹介していくかを考え、30年ほど前に直営店でのブランド展開を始めた。当時は「パイロットショップ」として、それぞれのブランドの思いやコンセプトをしっかりとお客様に伝えるのが目的だった。結果的には、それが非常に効果的に訴求できたので、直営店の展開を積極化した。足元の直営店数は119店。それから、百貨店や専門店の中などに当社の社員が配置され、ある程度商品の見せ方などを管理できる「自主管理売り場」が約400店ぐらい。

ただ、同じ百貨店内でも複数のブランドを展開したりしていて、入れ替えも頻繁にあるため正確な数はとらえにくい。たとえば小田急ハルク(東京・新宿区)といった百貨店のスポーツ売り場の中でも、気がついてみたら、ザ・ノース・フェイスあり、ヘリー・ハンセンあり、エレッセあり、ダンスキンあり、スピードあり、となっている。1つのブランドだけ展開する場合に比べ、はるかに店数が多くなる。

--ゴールドウインは「スタイル」別に事業を分けている。数字だけ見ると、アウトドア(登山、トレッキング、マリンなど)が好調で、アスレチック(テニス、ランニング、水泳など)は復調、アクティブ(自転車、スキー・スノーボードなど)は不振、という傾向がある。今後の方向性は。

アウトドアスタイルでは、健康志向の背景の中でハイキング向けなどが非常に伸びている。従来の山歩きだけではなく、街中でもアウトドアウエアが機能面で評価され、着られる機会が増えた。中でも中心となっているザ・ノース・フェイスやヘリー・ハンセンといったブランドは、百貨店などの同じ売り場で展開されている他のブランドに比べても、ブランドの特徴や色をはっきり分けて出しているのが堅調の理由だろう。

競技系スポーツを中心としたアスレチックスタイルは、残念ながら、世界の大手ブランドが大きなスケールでやっていて、ゴールドウインの規模では厳しい環境になっている。なかなか自分のポジションを見つけにくかったが、もう一度原点に返り、それぞれのブランドの強みや特長を出せるように直営店を含めて展開した結果、今は少し戻ってきている。

アクティブスタイルはモーターサイクルやバイク向けなども含むが、最盛期には屋台骨を支えるスケールだったスキー・スノボなどウインター関連マーケットが縮小した影響を受けて、規模が小さくなっている。その中では堅実に利益を出せるようにしながら事業を進めている。

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