健康志向に乗りアウトドアなどパーソナル向け成長、五輪は裏方で選手を支援する--西田明男・ゴールドウイン社長
--海外展開については今後どうか。
海外のブランドを国内に導入して展開してきたため、海外にはそれらのブランドを持って進出できず、国内市場に限定されてきたのは事実。とはいえ、いつまでもそうばかりは言っていられない。今、一生懸命、自社のブランドを強化して海外に出て行こうとしている。
スキー関連では欧州・米国で自社ブランドのウエアを展開しているし、ザ・ノース・フェイスについては国内だけではなく韓国での商標権も当社が取得しているので、現地で展開している。最近始めた新しい試みとしては、段階着圧下着の「C3fit(シースリーフィット)」で米国などでトライアルスタート。(宇宙航空研究開発機構とのコラボで宇宙飛行士向けに開発した)消臭下着の「MXP(マキシフレッシュプラス)」についても中国や台湾で販売を始めた。
--韓国ではヤングワン・グループと合弁でゴールドウイン・コリア(ゴールドウインの持ち分法適用会社)を展開している。ヤングワンはゴールドウイン本体の筆頭株主(発行済み株式の19%前後を保有)でもあるが、今後、ヤングワンとの関係はどうなるのか。
ヤングワンとは20年余りの付き合い。ソウル五輪の後に、韓国で事業を推進したいと考え、当初はスキーウエアを持って市場調査に行った。合弁会社設立後はアウトドアのザ・ノース・フェイスを展開した。今やザ・ノース・フェイスは、日本以上に韓国で強力な地位を築いている。
そういう状況について、お互いに連携しながらさらに強化していきたいということで、先方がゴールドウイン株を取得した、と考えている。(これ以上の株買い増しについては)絶対ないとはいえないが、基本的にはお互いに了解したうえで取り組んでいる。当社の株価が一時的に低迷したり、厳しい状況にあったとき、応援してもらったという面もある。(韓国以外のアジア市場での連携は)今後はいろいろなことが考えられるが、まだ具体的な段階ではない。
--新規分野への取り組みとしては、昨年11月に「ブラックアンドホワイト」のブランドを買収し、ゴルフウエア分野に参入した。
過去にはゴルフ分野にも何回か展開したが、今回はもう一度仕切り直し、昨年スタートした。ブラックアンドホワイトのゴルフウエアは、30年余りも日本国内で着実に展開されており、それを発展させていきたいということで引き受けた。ブラックアンドホワイトはゴルフウエアの中でも高級分野のブランドであり、当社としてもやりやすい。スケールやボリュームを追い求めず、特定のお客様に対してしっかりと対応できるという形をつくる。ブラックアンドホワイトの直営店はまだないが、現在でも百貨店の中などに自主管理売り場を設けて展開している。