求心力なき民主党、いったい何がダメなのか 維新の党との合流もチグハグ状態
自民党関係者は、「そもそも反安保のワン・イシューで戦うなんて、全くナンセンスだ」とも斬り捨てる。「9月下旬に安保関連法が成立したとたん、あれほど騒いでいた安保反対派の集団は、国会周辺からさっさと消えてしまった。年内でこれほど鎮静化したのなら、年が明けるとさらに冷めるはず。何よりの証拠が内閣支持率の上昇だ。安保関連法が成立して以降、これによって利益を受けるアメリカのみならず、あれほど日本に強硬姿勢をとっていた中韓両国、特に韓国の態度ががらりと変わった。国民の多くがそれを感じとっているからこそ、内閣支持率が上がった」。
さらにこうも述べている。「民主党は9日にシールズらと会合を行い、安保関連法を選挙の手段にすることにこだわっている。4月の補選の選挙権は18歳から与えられないのに、彼らと話し合ってどのくらい票の積み増しができるというのか」。
民主党執行部には地方の声が聞こえていない
民主党執行部は地方の混乱がおさめられないばかりではない。地方の声も聞こえていないとしか思えない事例もある。たとえば、維新の党の仇敵となったおおさか維新の会との関係だ。
おおさか維新の会の松井一郎幹事長は10日、「人材がいればやりたいと思っている。関西では全てやりたい」と、次期参院選で近畿の全ての選挙区で候補を立てる意向を示した。
これについて岡田代表は同日の会見で、「地元ともよく相談して考えなければならないと思う」と前提を付けながらも、「新しい党になったので間を置くことも重要かなと。国会での言動などを見て、与党なのか野党なのか見きわめたい」とこともあろうにおおさか維新の会との連携とも受け取れる発言を行ったのだ。
しかし近畿の民主党の現状を知っていれば、こんな発言はできない。民主党のおおさか維新の会に対するアレルギーは相当に強い。元衆院議員で兵庫県連幹事長を務める向山好一県議は、全国幹事長会議に出席のために上京した時、「我々は共産党よりおおさか維新の会が大嫌いだ」とはっきり述べた。
向山氏は岡田氏のこの発言について、「中央の考えとしてわからなくもないが、現場で何が起こっているのかを執行部は理解していないのではないか」と苦笑する。「参議院選の状況は相当厳しい。とりわけ大阪では、民主党の存在感すらなくなっており、11月の大阪ダブル選では『その他の諸派』と同等の扱いを受けたほどだ」。
向山氏は「現場で戦う我々の身になってほしい」などと述べていたが、すでに執行部を見限っているようだ。最後には「やはり解党しかない」と、本音と思える言葉を漏らした。
統一会派の結成だけで、野党は浮上できない。もうひと山ふた山の苦難を超えない限り、本物の闘う野党になれるはずがない。
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