求心力なき民主党、いったい何がダメなのか 維新の党との合流もチグハグ状態

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それは、民主党の執行部のガバナンスの欠如だ。衆参同日選も囁かれる来年の夏に向けて党内外から、「果たしてこれで、民主党は大丈夫か」との声も出始めている。

まずは来年夏の参院選の試金石ともいえる、4月24日に行われる衆院北海道5区の補選である。今年6月1日に町村信孝元官房長官が死去し、次女の夫である和田義明氏がその後継として出馬を予定している。

5区は2009年の衆院選で町村氏が民主党の小林千代美氏に敗退したことがあり、自民党にとって「弔い合戦」といえども油断ができない選挙区。しかも和田氏は、党幹部から町村姓への改名を勧められるもこれを拒否しており、「町村ブランド」を十分に展開できない可能性も考えられる。

つまり、民主党にとって十分、勝てる選挙のはずなのだ。

まとまらない北海道での候補

民主党北海道は12月10日、社会福祉士で同党道連常任幹事の池田真紀氏を北海道5区で擁立する方針を固めた。道連としては、池田氏を民主党の候補ではなく、野党統一候補のモデルとして位置づけたい思いがあり、立候補を要請するのは民主党ではなく「戦争させない北海道をつくる市民の会」とした。すでに5区で橋本美香氏の擁立を内定している日本共産党もこれには関心を示し、連携がとれるなら候補を降ろすことも表明している。

ところが北海道で40万票を持つと言われる旧新党大地はこれを拒否。10日に開かれた民主党の両院議員総会で、新党大地出身の鈴木貴子衆院議員は、「共産党と一緒に街宣車に乗るかどうかもめたため、知事選の最後の3日間で30万票失って負けた」と共産党の介入を強く牽制した。

そもそも候補選びの段階で、自民党を安心させた面がある。北海道の自民党関係者は「我々は全く心配していない」と胸を張る。「もともと池田氏は2区から出馬した人。それがいきなり地縁のない5区に来て、当選するはずがない」。

確かに東京生まれの池田氏は、2014年の衆院選で北海道2区から出馬して落選している。池田氏のバックには横路孝弘道連代表(当時)が控えていたが、野田政権時に厚労相を務めた三井辨雄氏が維新の党から出馬する松木謙公氏を後継指名。民主党本部も維新の党との選挙区調整を重視したため、池田氏は公認を得られず落選した。たとえ5区に鞍替えしても、集票力はまったく未知数といえる。

そのうえ、さらに問題なのが、民主党が何を争点にしようとしているか、だ。

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