「原油暴落」が来年の株式市場を暗示している 日本株はドル高が終わるとどうなるのか
少しばかりだが、株価下落に一服感が出始めている。世界のマーケット混乱の一因となった原油市場は、依然として軟調な展開にある。だが、一方で市場関係者の中からは「さすがに石油・資源関連株は下げ過ぎ」との評価も聞かれ始めている。
原油市場の動向がここまで株式市場に影響を与えることは久しぶりのことだ。だが、裏を返せば、それだけ世界の金融市場、ひいては投資市場がさまざまな形で結びついているということだ。12月15~16日には注目のFOMC(米公開市場委員会)が開催されるが、筆者は原油や非鉄市場など主要な「工業系コモディティ」の動きに、次の投資先を選別する際のヒントがあると考える。
なぜ「原油価格」は乱高下を繰り返してきたのか
今から振り返ると「2000年代の初頭」は「コモディティ市場激変の時代」だったといえる。
典型例は原油価格だ。約20年間の低迷を経て2002年から徐々に下値を切り上げ、2003年から上昇基調をより鮮明にしはじめた。2004年には代表的な指標であるNYのWTI原油先物価格が1バレルあたり40ドルを超え、新たなステージに入った。「BRICSの隆盛」シナリオなどにも乗って、2008年7月には、WTI原油は147ドルの史上最高値を付けた。
しかし、価格急騰による需要低下懸念に加え、同年9月にはリーマンショックが起き、コモディティも大きく売られることになる。
実は、こうしたコモディティ価格の急伸は、新興国の台頭による需要の増加に加え、投資マネーのコモディティ市場への流入が顕著になったことを抜きにして語ることはできない。
それまでのコモディティの価格といえば、自然なことだが、生産者が供給する現物に対する消費者の需要動向が大きな影響を与えていた。
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