山内:使える資源が違いますので、家庭が学校の代わりをすることは現実的ではないでしょう。子供が学習機会を選択する際に相談に乗り、可能な範囲で経済的に援助することと、自分が学んでいる姿を見せることが、選択肢になるかと思います。
後者については、MOOCを含めネット上にさまざまな学習サービスが増えてきました。大学のオンライン講座の多くは無料で受講できますし、Skypeを利用した低価格で学べる英会話サービスもあります。海外の大学の講座はハードルが高いという方には、日本語で学べるMOOCもあります。つまり、あとは自分のやる気次第というとこまできているということです。
加藤:学べる環境はもうあると。
学ぶことは生きること、働くことにつながっている
山内:東大が2013年に村山先生の宇宙物理学のコース「From the Big Bang to Dark Energy」を開講した時に、自己紹介の掲示板に10代から90代まで世界中のさまざまな人たちが、このコースを学ぶ理由について書き込みました。「生徒に最先端の研究によって明らかになった宇宙の姿を教えてあげたい」というイタリアの高校教師や、「科学に興味がある息子と話ができるようにこのコースで自分を磨きたい」というニューヨークの看護師の女性など、大人の学びの理由の多様さに感心しました。
そうやって学んでいる姿を子供に見せていく。そうしたら子供も考えます。「学ぶことは無意味な苦行ではなく、よりよく生きることや働くこととつながった行為なんだ」と。このような認識がすべての学習の出発点であり、教科学習も21世紀型スキルも、すべてはこの上に成立するのだと思います。
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