高齢ドライバーの免許返納、進める手はある 相次ぐ悲惨な交通事故を減らすためには
「講習には、座学や動体視力検査、夜間視力検査、実車走行などがあります。講習の結果、『動体視力が低下していますよ』『試験なら不合格ですよ。慎重に運転してくださいね』などのアドバイスを行い、ドライバーに注意を促すことが目的です。
しかし、運転免許取得の試験では、『本来は不合格だけど慎重に運転してください』と言って合格させるでしょうか? そうではないと思います。
自動車という『鉄の塊』で公道を走行する以上、安全運転に必要な判断能力や運転技能を持ち合わせていない人には免許を与えない、というのが免許制度のはずです。
厳しいことを言うようですが、現在の高齢者講習制度は不十分ではないかと、私は考えます」
自主返納を進めるためには?
では、どのような施策が求められるのだろうか?
「安全運転が確保できる『判断能力及び運転技能』が認められない方には『免許の更新を認めない』という制度が必要ではないでしょうか。そして、運転免許の更新が厳しいことが広く認知されれば、自ずと自主返納も進むと思われます。
このような意見については、『地方では自動車がなければ生活できない』『都市部でも公共交通機関は利用しにくい』という声も聞かれます。
しかし、そこは、国や自治体が責任を持って、自動車がなくても生活可能なインフラを整備すべきです。一部の自治体で採用されているコミュニティバスや欧米などで普及が進んでいるLRT(低床式路面電車)の整備などの可能性を探るべきではないでしょうか」
木野弁護士はこのように指摘した。
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