居酒屋が野菜を作り始めたワケ--コロワイドの食材加工子会社社長に聞く

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産地直売などいろいろな取り組みをしてきたが野菜を買うのは非常に難しい。何とか品質をコントロールできる状態まで持っていきたいというのが、野菜工場を作った理由だ。工場内で生産すれば歩留まりがコントロールでき、天候に左右されないため収量やコストも一定だ。食材加工工場に併設しているので、工場内で加工すれば物流費もかからない。

--いいことずくめに聞こえるが問題はないか。

1番の問題はコスト。工場栽培は設備投資におカネがかかる。神奈川工場に野菜栽培の設備を導入するには2億円の設備投資がかかった。また、コストとしては人件費、減価償却費、電気代の3つが大半を占める。こうした負担が何もない露地栽培のほうが、まだ圧倒的に安い。ここを下げていくのが課題だ。
 
 ただ、LED照明にしたことで生育のコントロールが可能になった。赤い照明だと成長が早くなる。肥料や二酸化炭素濃度をコントロールすることでも、成長を早めることができる。野菜工場では1段で150株まで育てることができる。その段が5個積み上がって1つの棚になり、1つの棚では750株を栽培できる。

1棚にかかる固定費は一定のため1カ月間に何回収穫できるかで、コストが決まる。生育を短くして収穫数を増やすか、1株当たりの重量を大きくするか。どちらがよいか、今後検討を進めていく。収量をコントロールできるようになり、コストを下げられる可能性が出てきた。物流コストまで含めれば何とか数年以内に露地栽培と五分五分まで持っていけそうだ。

--野菜工場ではレタス以外にもいろいろな野菜を作るのか。

とにかく投資コストを回収しなければならないので、当面はバジルやルッコラなど高単価な作物を内製化していく。ただレタスに比べ、バジルのマーケットは限られる。まずは高単価な野菜で投資を回収しながら、レタスなど普通の野菜でも高収量を実現させたい。収益性にメドがつけば工場をもっと拡張する。ゆくゆくは海外展開も検討している。

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