アップルが地図サービスを刷新、グーグルと決別へ
アップルとしては、今年秋の新アイフォーン発売を機に、シェアの差を縮めていく必要がある。そのためもあり、iOS6の新機能の数々を見ると、「対グーグル」を意識したものが少なくない。
これまで、アップルは標準の地図サービスとして「グーグルマップ」を使ってきたが、iOS6からはグーグルと決別。独自の地図システムを採用することを明らかにした。音声検索機能と組み合わせることでカーナビとしての活用も提案していく方針で、日米欧の九つの自動車メーカーと話し合い、1年以内にハンドルに音声検索ボタンを標準搭載した自動車の発売を目指していく。対するグーグルも、6月末から高精度の3次元地図サービスを開始するなど、モバイル端末からの地図活用の強化に余念がない。
飛行機、映画館などのチケットを管理できる「パスブック」もグーグルを意識した新サービスだ。パスブックはNFC(近接通信)機能を搭載したアンドロイド機でグーグルが提供している「グーグル・ウォレット」への対抗策である。グーグルはグーグル・ウォレットをモバイル決済の世界標準にすることを目指し、NFC機能が搭載される見込みの次世代アイフォーンへのサービス提供も視野に入れていたが、ここでも混じり合うことのない水と油の関係になった。
覇権争いはますますヒートアップしていきそうだ。
(山田俊浩 =週刊東洋経済2012年6月23日号)
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