Surface最新版は、いったい何がスゴイのか 急激進化を遂げたタブレット型PCの最新版

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Surface Pro4には、マイクロソフトが買収したN-Trig社の最新型ペンデジタイザー技術が盛り込まれている。

N-Tringのデジタイザー技術は、指先で操作するマルチタッチ用のデジタイザーとBluetoothで接続されたペンの組み合わせでペン先位置をトラックするタイプで、ワコムなどの電磁タブレットに比べ、画面表示と保護ガラス面の距離が狭く、小さな視差で場所を指し示すことが可能なことだ。ただし、従来は筆圧を256段階でしか検知できなかった。

”書き味”という人間的な感覚を表現することに成功

マイクロソフトはこれを改良し、筆圧検知を1024段階まで拡張したうえで、ペン先を物理的に交換することで、”書き味”という、実に人間的な感覚を物理的なフィールで表現することに成功している。

用意されているのは2H、H、HB、Bの4種類で、それぞれに画面にペン先を当てて動かした時のフィールが異なるのはもちろん、その感覚はそのまま画面上に描かれる線に反映された。

柔らかい芯で書けば、しっとりとした感覚を味わえるうえに、筆圧に対する太さの変化が大きくなり、硬い芯で書けばシャープな書き味が得られ、筆圧に対する太さ・筆致変化も穏やかになる。

そのフィーリング設定が絶妙で、なるほどと思える風合いなのだ。この感覚は、たとえばSurface Pro4にMicrosoft OneNoteで手書きメモを書き込む際など、芯の選択ひとつで書きやすさが大きく変わった。

純粋に高性能化したり、重量を軽く、あるいは薄型化といったアプローチで改良した製品が評価されてきたのがパソコンの歴史だったが、昨今のテクノロジー製品は数字だけでなく、デザインや使用感……”フィーリング”を重視するユーザーが増え、付加価値として認められるようになってきた。

もし、あなたがメモあるいは図、いずれかをペン操作で手軽に書きたいと思っているならば、マイクロソフトの新しいソリューションは注目に値する。Surface Penを使っていると、ペン先の柔らかさを変えるだけでなく摩擦なども検討しているようで、まるで鉛筆で書いているような適度な感触を得れたからだ。

しかし、何よりもパソコンを作ったことがなかったマイクロソフトが、ハードウエアの作り込みという部分に着目し、しっかりと対応してきたことに興味深さを感じる。あらゆる面で細かなことを含め、改良がグッと進んでいるからだ。

さて、そろそろ結論に入ろう。

Surface Pro4の完成度には、老舗のパソコンメーカーも”まいったな”という表情を浮かべているのではないだろうか。新型Type Cover(Pro3でも利用できる)は、膝の上にセットした不安定な状況を除けば、かなり出来の良いノートパソコン並みの体験を得られる。

店頭などで新しい書き味やキーボード、タッチパッドのフィールを確認し、なるほど自分のフィーリングに近付いたと感じたならば、Surface Pro4の購入をお勧めしたい。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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