「ゴミ箱に頭を突っ込んだ」17年かけ楽天1位とった靴下、娘がCA辞めて"日本で2番目に小さい町"の工場に入社したワケ

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筆者が楽天市場のサイトをのぞくと、すべてのレビューに対して丁寧な返信コメントが書かれていた。みどりさんとスタッフが、定型文を使うことなく一件一件返信しているという。

鈴木靴下
「この繊維を待つより多くの方に届けたい」と話すおふたり(写真:鈴木靴下提供)

「苦労が財産です」

和夫さんは、米ぬかと靴下を鍋で煮込んだ日から23年間、来る日も来る日も米ぬかのことを考えてきた。社内で笑われても、商談で倒れても立ち上がり、1億円の自腹を切ってでも研究を続けた。なぜ、和夫さんは折れないのか。

「私は、人一倍努力しないと人に追いつけないんです。高校受験も失敗して、父親からは『あかんたれや』と言われ続けた。家業を継いだけど居場所がなかった私にとって、米ぬか繊維との出会いが、自分の生きる場所なんです。高級車に乗りたいわけではない。贅沢をしたいわけでもない。私の欲は、この米ぬか繊維をより多くの必要とする人に届けたいだけなんです。ただ、その欲は人一倍強いと思います。離せと言われたって、離せませんよね」

鈴木靴下
「努力しないと人は来てくれない」だから、あえて人通りの少ない小さな三宅町に建てたという直営店(写真:鈴木靴下提供)

目指すは、100億円企業。この繊維を待つ、全世界の人に届けたい――。 そう語る和夫さんは67歳になった今も、靴下工場と米農家の仕事を兼務する。365日休みなく、出社は朝4時50分。1時間の学習タイムの後は、朝6時から靴下工場で毎日、72台の機械で編まれるすべての製品に手を通す。

「苦労が、私の財産です」

取材中、ふと和夫さんの手に目をやると、米ぬか靴下に通し続けてきたその手は、真っ白できめ細やかだった。長きにわたり百姓をしているとは思えないほどに。この手こそが、米ぬか成分の最たる証しだと思った。

前編:高市首相から直筆の手紙「かかとがすべすべになり、驚いています」17年かけて“楽天1位”とった靴下ができるまで
メリイ潤 フリーライター

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めりい・じゅん / Jun Merry

岡山県在住。大学卒業後、約16年間大手損害保険会社にて営業および営業事務に携わった後、2024年よりフリーライターとして活動。ビジネス系インタビュー記事、イベントレポート、マネーコラム等を執筆。中学時代はソフトテニス部、大学時代はラクロス部に所属。3児の母。2級FP技能士。

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