「ゴミ箱に頭を突っ込んだ」17年かけ楽天1位とった靴下、娘がCA辞めて"日本で2番目に小さい町"の工場に入社したワケ

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「今日はもう終わりにして、奈良に帰ろう」と帰路についた途端、吐き気とめまい、下痢が襲ってきた。ヘロヘロになりながら新幹線に乗り込み、馴染みのある京都駅に降り立った瞬間……猛烈な吐き気が込み上げ、目の前のゴミ箱に頭を突っ込んだ。

それが、和夫さんが突きつけられた東京の現実だった。

鈴木靴下
米農家でもある和夫社長は、米とともに生きてきた(写真:鈴木靴下提供)

妻だけが、一度も否定しなかった

それ以降も数度、東京へ足を運んだが、うまくいかない。だが、救いの手も差し伸べられた。知人の紹介で、神戸の「東急ハンズ三宮店」の催事に3日間限定で出店できることになったのだ。けれど、初めての出店で、どうやって売り場を作ったらいいのかさえわからない。

すると、「一緒に、他のお店がどうやって出店しているのか見に行こう」と言ってくれたのが妻の喜子さんだった。先代の社長である実父や社員には「ボロカス」に言われ続けたが、妻が和夫さんを否定することは、これまでに一度もなかった。口出しもせず、陰ながらずっと応援してくれていたのだ。

喜子さんは、催事での販売も手伝ってくれた。2人で懸命に説明をしたら、通りがかりの中高年の女性が「じゃあ、試しに」と、1足買ってくれた。

「最高に嬉しかったですね。鍋で靴下を煮込むところから始めた米ぬか靴下が、いろいろな人の協力のもと形になり、やっと1足売れた。家内には、本当に感謝しかありません」

鈴木靴下
扱いの難しい米ぬかは、煎りぬかにして活用する(写真:鈴木靴下提供)
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