国内でわずか2社に減少も、消えそうで消えない「モロッコヨーグル」。"薄利多売"でも3代・65年間生き残れた理由

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モロッコヨーグル
象のイラストが懐かしいヨーグルト風の駄菓子「モロッコヨーグル」。容器の形状は、発売当時からずっと同じだ(写真:筆者撮影)
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時代の流れとともに、静かに姿を消しつつある商売や職人仕事。子どもの頃には当たり前にあった駄菓子や、町工場の繊細な技術が、気づけば「もうあそこでしか作っていない」と言われるようになっている。本連載「消滅寸前ビジネス」では、そうした貴重な技術、商品、商売にスポットを当て、現場を守る職人の技術と想いを深掘りする。第3回となる今回は、象のイラストが目印の懐かしい駄菓子「モロッコヨーグル」を製造するサンヨー製菓を取材した。

【あわせて読む:後編↓↓】

「機械が止まれば会社が死ぬ」"こんなんで働きたくない"と思ったモロッコヨーグル社長が「75歳まで現役」を覚悟するまで

1個売って、利益は約1円。年間1000万個を作り続けて、ようやく事業として成立する――。

直径約3cmのカップ型容器に、象の愛らしいイラストが目印の駄菓子「モロッコヨーグル」を製造するサンヨー製菓(大阪市西成区)は、親子3代にわたり、この薄利多売なビジネスを続けている。

駄菓子メーカーの淘汰は激しい。少子化、原材料高騰、駄菓子屋の減少などのあおりを受け、かつて約10社ほどが製造していた「ヨーグル系駄菓子」で生き残るのは2社のみ。この厳しい状況でなぜ、サンヨー製菓の「モロッコヨーグル」は荒波を乗り越え、生き残ることができたのか。

その背景には、「1個売って利益約1円」というビジネスを成立させるための、同社のたゆまぬ企業努力と、子どもたちへの想いがあった。

サンヨー製菓の社屋
大阪市西成区の住宅街にひっそりと佇むサンヨー製菓の社屋(写真:筆者撮影)

温度管理を徹底するため、運送会社に毎日FAX

モロッコヨーグルは、ヨーグルト風ではあるものの、実際は乳製品ではなく植物油脂、砂糖、ブドウ糖、酸味料、塩などを攪拌して、ホイップ状にした駄菓子だ。「菓子パンに挟むバタークリームに近いです」と3代目社長の池田光隆さんは説明する。

現在、モロッコヨーグルの製造工場では朝9時から16時過ぎまでラインが稼働し、5人体制で1日に約6万〜7万個、年間で約1000万個を製造している。

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