「ゴミ箱に頭を突っ込んだ」17年かけ楽天1位とった靴下、娘がCA辞めて"日本で2番目に小さい町"の工場に入社したワケ
2025年の会社全体の売り上げは、約4億4千万円。うち、受注生産が約7割を占めるというが、近年は人口減少の影響で、徐々に減ってきている。
だが、鈴木さんがもくもくと靴下と米ぬかを煮込んで開発した「世界唯一の米ぬか繊維」を使用した靴下の売り上げが徐々に増加しており、会社の経営としては右肩上がりに。
しかし「米ぬか靴下」は開発当初、社内に近寄る人は誰もおらず、2008年に和夫さんが50歳で代表取締役に就任してからも「社長の靴下」と揶揄されていた。
ところが17年後、楽天市場の約2億点ある商品のうち販売数1位を獲得。たった数日で、約3000万円を売り上げるまでに成長した。一体、なにがあったのだろうか。
東京で門前払い、倒れる
2006年、開発に3年を要した米ぬか靴下を手に、48歳の和夫さんは東京にいた。カバンには自信満々で準備した黒色の米ぬかハイソックス。そして、心を込めて書き上げた手書きの資料。
地方の小さな町で、小鳥のさえずりと見渡す限りの田んぼに囲まれ育った和夫さんは、一人で新幹線と電車を乗り継ぎ、渋谷のハチ公前に立っていた。目の前を足早に行き交う人は、知らない顔ばかり。頭の片隅をよぎるのは、先代や社員の顔。「東京まで交通費をかけて行くんだから、結果を出せよ」というプレッシャーがのしかかる。
渋谷、新宿、池袋、北千住、豊洲をぐるっと回る。大手雑貨店からは軒並み、門前払いの洗礼を受けた。「アポ取られてますか?」と聞かれたが、営業をしたことがない和夫さんには、「アポ」の意味さえわからない。
それでもと周囲を見渡すと、目の前にそびえ立つ生活雑貨の全国チェーン店。玄関先まで来たものの躊躇する。足を踏み入れようと思っても、なかなか一歩が出せない。「もう、帰りたい」。汗びっしょりで、意を決して入店するも、「何をしに来たんですか?」「そんな長い説明は不要です。ワンフレーズで伝えて」と言われる。30分の説明の間、一言も発しない担当者もいた。



















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