中国のネット出前最大手「美団」が2025年は5000億円超す巨額赤字/国内の競争激化で販促費かさみ、海外投資負担も重荷に

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スマホからの注文一つで食事などを短時間で配達してくれる「外売(出前)」アプリは新型コロナ禍を契機に爆発的に普及したが、今では過当競争に陥っている(美団のウェブサイトより)

中国のネット出前サービス最大手、美団(メイトゥアン)の業績が大幅に悪化している。3月26日に発表した2025年12月期決算は純損益が日本円換算で5000億円を超える大幅赤字に転落した。中国国内の出前サービス市場の競争激化に加え、急ピッチで進めた海外展開でも損失を計上した。

25年通期の売上高は前年比8.1%増の3648億5500万元(約8兆4100億円)。増収を確保したとはいえ、伸び率は24年の25.8%、23年の22%から大幅に縮小した。さらに前年まで2年連続で黒字を達成していた純損益は233億5400万元(約5400億円)という巨額の赤字を計上、前年の358億800万元の黒字から大幅に悪化した。

美団の中国国内の中核事業は、主に食事の出前やその他の宅配サービスなどの「宅配型事業」と宿泊・旅行や飲食店予約などの顧客が店舗まで足を運んでサービスを受ける「来店型事業」に分けられる。この宅配型事業の損益悪化が赤字転落の第一の要因だ。

25年は競争激化の影響により、同事業の営業損益は24年の524億1500万元の黒字から、25年には69億400万元の赤字へと大きく悪化した。

アリババ系は1兆円超の販促費を投入

競合他社の動きに目を向けると、25年2月にはEC大手の京東集団(JDドットコム)が宅配事業に本格参入。同年7月2日には中国のネットサービス大手、阿里巴巴集団(アリババ)傘下で即時配送型リテール事業(生鮮食品などをアプリでの発注後、短時間で届けるサービス)を営む「淘宝閃購(旧名は餓了麼=ウーラマ)が総額500億元という大規模な販売促進費の投入計画を発表。美団もこれに対抗し販促費を投入せざるをえなくなったことが損益悪化につながった。

美団のCEO(最高経営責任者)を務める王興氏は決算説明会で、デリバリー事業における補填競争や価格競争について「典型的な『内巻』(非理性的な過当競争)であり、行きすぎた競争には断固反対する」と主張した。

同社は政府当局による「内巻」関連調査に協力するとともに、粗悪な品質の商品を排除し、美団の市場シェアとリーダーとしての地位を守っていくとの方針を示した。

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