「ゴミ箱に頭を突っ込んだ」17年かけ楽天1位とった靴下、娘がCA辞めて"日本で2番目に小さい町"の工場に入社したワケ

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家庭のお金の管理は、すべて奥さんだ。これまでの23年、総額1億円を超える開発費も、奥さんがやりくりして捻出してくれたという。

しかも、開発費はすべて、会社名義で融資を受けるのではなく、和夫さんの私財を会社に貸与する形をとっている。

「もとはといえば、私が個人で始めたことですから。会社で融資を受けると、返済期限があるから焦りに繋がります。もし返済が滞ると、会社にある在庫を安売りしてでも現金を作らないといけなくなる。地盤を固めるためには時間が必要だと思いますし、会社の資金を使って従業員を不安にさせたくないんです。個人の資金であれば、売れても売れなくても、自分に能力がなかっただけだと諦めもつきますしね」

厳しい父から、社会での生き方を幼い頃からこんこんと聞かされてきた。「首の根っこを掴まれたら(弱みを握られると)、身動きできなくなる」「苦しければ苦しいときこそ、先に現金を払え」

その教えが、和夫さんの根底にある。

鈴木靴下
展示会には夫婦で参加。左が妻の喜子さん(写真:鈴木靴下提供)

「足腰がしっかりしていないと、いつか倒れる」

初めての1足が売れた後、和夫さんはふたたび、東京への商談や展示会への出店を繰り返した。しかし、回数を重ねるうちに、大手小売店で取り扱ってもらうには、品質の保証と会社の信用が重要だと気づく。

同じ頃、京セラの創業者である稲盛和夫さんの友人で、日本産業皮膚衛生協会の会長・河合享三さんと出会い、「強い企業は研究開発に資金を投じる。足腰がしっかりしていないのに走り出したら、いつか倒れる」とも言われた。

「そこでまずは、地盤を固めようと考え方を切り替えました。東京への営業も展示会も一切やめて、米ぬか繊維の安全性や機能面を証明する試験に資金を投じることにしたんです」

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