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幼い頃に受けた「心の傷」癒やす"親との関係の手放し方"――負の連鎖を断ち切り、自分自身の人生を取り戻すための処方箋

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  • 井上 陽平 公認心理師・トラウマ専門カウンセラー・トラウマケア専門「こころのえ相談室」代表
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そんなとき、あなたの中でも何かが変わりはじめます。

親の言動にいちいち心をかき乱されることが少なくなり、怒りや恐怖といった感情も、どこか遠くに置いてこられるようになる。もちろん、それが「仲直りしたい」とか「愛している」といった気持ちとは違っていてもいいのです。

ただ、「もう、この人に人生を支配される必要はない」と思えるようになる。それは、心の中で親の存在が少しずつ小さくなっていくプロセスなのかもしれません。

「許す」というのは、親のしたことをなかったことにすることではありません。むしろ、過去を見つめ、自分の傷や感情を理解できるようになったときに、「もうこの人のために苦しまなくていい」と手放す行為に近いのだと思います。

それが許しと呼べるのかどうかは、人それぞれです。でも、自分の人生を自分のものとして生きるために、親を心の中で“手放す”ことができたら――。それは、過去と決別し、未来に歩き出すための大きな一歩になるのかもしれません。

「毒親」は連鎖するのか…?

毒親のもとで育った人は、「自分も同じことをしてしまうのでは……」と不安になることがあります。支配的な態度や否定ばかりの言葉、感情をぶつけてくる親のふるまいは、子どもの心に深い傷を残します。

その経験は無意識のうちに「これが普通の人間関係なんだ」という感覚として刻まれてしまうのです。

心理学では、こうした影響を「学習された育児スタイル」と呼び、次の世代に繰り返されやすいといわれます。

特に、子ども時代の恐怖やさびしさが整理されないまま大人になると、強いストレスや対立の場面で、気づかないうちに親と同じ態度を取ってしまうことがあります。

どなる、冷たく距離を取る、感情を強くぶつける――そうした行動の背景には、本人の中に癒えていない痛みや緊張が隠れていることが多いのです。

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