幼い頃に受けた「心の傷」癒やす"親との関係の手放し方"――負の連鎖を断ち切り、自分自身の人生を取り戻すための処方箋

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こうした状態の親には、物事を冷静に考える余裕がありません。子どもの言葉の意味を丁寧に受け取る前に胸の内がざわつき、体が先に構えてしまうのです。

本来なら落ち着いて話せた場面でも、不安と怒りが一気に高まり、叱るというより「押し返す」ような関わり方になります。その結果、子どもを傷つけ、親自身も後で自分の言動にショックを受けて、呆然とすることがあります。

理由を言葉にできず、なぜあんなふうに振る舞ったのか、時間が経っても自分でもうまく説明できません。その瞬間の親には、自分を守ることで精一杯だったからです。

背景には文化的な影響もあります。「親はこうあるべき」「しつけは厳しく」という圧力の中で、親は素の自分でいられる場所を持ちにくい傾向があります。

外では立派にふるまいながら家庭で爆発し、子どもが感情のはけ口になることもあります。外で「頑張り屋」と評される人ほど、家で冷淡な一面を見せることもあるのです。

さらに、うつや発達障害、夫婦関係の悪化や経済的な困難が重なると、子どもに向き合う余裕を完全に失ってしまう親もいます。「本当は傷つけたくなかった」「どうすればよかったかわからなかった」と、悔やむ人も少なくありません。

とはいえ、子どもにとっては、どんな事情があっても「傷は傷」です。親の裏側にあった現実を知ることは、親を許すためではなく、「自分が悪かったわけではなかった」と理解するための大切な手がかりです。

その気づきこそが、長く苦しんできた自分を助ける第一歩になります。

「親を嫌えば楽になれる」のか?

親の行動の中には、どうしても受け入れられないものがありますよね。

家庭で育まれた価値観や常識が、社会の常識と大きく異なると、その違和感が心を圧迫し続け、長い年月をかけて心を疲れさせてしまうこともあります。

そんな背景から「親を嫌えば楽になれるのでは」と考える人もいますが、嫌うことが必ずしも心の解放や安らぎに直結するわけではありません。

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