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「ケインズの美人投票」どころではない株式市場の厄介さをもたらすのは、「情報」の階層が生み出す暴走

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情報の階層構造が市場をややこしくする(写真:itboowy / PIXTA)

価格は、消費者からむしりとる手段だと書いた(連載第3回)。

ならば、市場は、投資家から資産を奪い取る場だと言える。

経済学は、価格礼賛、市場礼賛で、弱者である消費者、投資家から搾取する手段を提供し、その価値観を広め、社会を変えた。これをまず明らかにし、現実に何が起きているか、今後どうなるか、どうすべきか、を議論するためのものが、小幡経済学体系である。

というと、偉そうだが(誰もそんな体系を相手にしていないから、心置きなく書ける)、少なくとも、マルクスよりは小幡の方が革命的、社会転覆的な気がしてきた。

いや、わたくしはマルクスと違って革命家ではないので、これの静かな解決策を探したい。

情報の非対称を分析することが偉いのか

一般的な解決策、つまり、普通の経済学で言われていることは、「情報」である。情報の経済学こそが、1970年代以降の経済学の発展をもたらしたといえる。

なぜ搾取されるかというと、情報が非対称的だからである。それが交渉力の源泉にもなっていき、資本家が労働者を搾取できるのである。

「情報の非対称性」という言葉は、1980年代の経済学のキーワードであったが、もともとの理想的な市場均衡においては、情報の非対称性は存在していなかった。

消費者が生産者(商品提供者)に価格を通じて(「正しくない」価格により)搾取されるのは、消費者が生産コストの情報を持っていないからであり、ほかの生産者の情報がないからであり、ほかの提供者に自分が欲しがっているという情報を提供する手段がないからである。

理論的には情報の非対称性が解消すれば問題は解決するが、実際には難しい。そこで、情報の非対称の下でのさまざまな分析が行われた。

情報の非対称の下での選択を分析するのに有用なゲーム理論が経済学の中に侵食し、いまやゲーム理論が経済学のような扱いになり、ゲーム理論がほかの社会科学にも進出していくと、経済学が社会科学を支配しているような錯覚に経済学者たちは陥り、それと同時に、ゲーム理論とか契約理論(contract theory) という道具を使うこと自体が偉いかのような錯覚に経済学者自らも、そして社会をも陥らせてしまった。

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