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追悼・永野健二、『バブル』を綴った最後の豪腕編集長 証券経営陣から仕手筋まで、資本主義の欲望の深淵に食い込んだ

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ジャイアンのような人物イメージイラスト
(イラスト:北沢夕芸)
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必要不可欠で絶対的な存在

いつの世もジャイアンはいるものだ。強制集合をかけ、土管の上でダミ声で歌う。

みな、心の中で「勘弁してくれ」「いなくなってくれ」と思う。

だが、彼がいなければ、日々は平凡なものになる。

うむ。実際のところ、必要不可欠で絶対的な存在なのである。「親分肌」ともいえる。

永野健二氏(2025年死去、享年76)はそんな編集長だった。

30年以上にわたる企業取材の経験を通して、「ヤバい」と感じた会社や仕事を取り上げていく。【原則日曜日更新】

京都大学から日経新聞に入社。父・健は日経連会長(三菱マテリアル会長)、祖父・護(まもる)は衆院議員、祖父の弟・重雄は経済同友会代表幹事(新日鉄会長)にして「財界四天王」の一人。子供の頃から移動はハイヤーだった。

入社後、証券部に配属され、記者人生の大半をそこで過ごした。

「兜町に閉じ込められた」

飲むと口にする恨み節だ。

だが、その人事によって、彼は証券界に深い人脈を築いた。

1980年代、バブル経済の真っ只中、大(おお)田淵、小(こ)田淵に代表される野村証券の経営陣から、闇に蠢(うごめ)く仕手筋まで、資本主義の欲望の深淵に食い込んでいった。

そして、代表作『バブル』は2016年に新潮社から出版された。

帯には「伝説の記者」と記された。この肩書き、ふつうは使えない。ある書籍編集者いわく、「まだ亡くなってないのに、尊大だと批判される」という。

だが、永野氏にそんな常識は通じない。なんせジャイアンなんで。

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