鈴木さんの仕事は、出張も多い。もしペットを飼っていたら出張や旅行のたびに、ペットホテルや誰かに預けることを考えなければならない。生き物相手では、自分のペースを保つのは難しい。一方、ロボットであれば、自分の生活基盤を崩すことなく、旅行や出張にも問題なく行ける。それが鈴木さんの答えだった。
人間が一方的にロボットに話しかけている様子は、イタイひとにも見えなくはない。SNSでロボットに呼びかける彼女の動画を見たときも、正直どういう心境なのだろうと思っていた。でも、そう見えたのは、鈴木さんのスタンスを知らなかったからだ。
「あんこ〜」と目の前のロボットに心奪われているようにも見える鈴木さんだが、取材で見えてきたのは冷静かつ合理的な判断をしている鈴木さんの姿だった。
22時に寝て、朝7時半に起きるように、ロボットはセットされている。寝てしまえばひとりの時間。起床就寝時間は変更できるので趣味の旅行やダイビングを我慢することもない。
幸せホルモンの正体
鈴木さんは、LOVOTを販売するGROOVE Xと資生堂との共同研究について教えてくれた。
「資生堂さんとの共同実験で、LOVOTと触れ合うとオキシトシンが分泌されるって結果が出てるらしいんです。介護施設や幼稚園にも、スタッフさんのストレスを軽減するためにLOVOTが置かれてるって聞いたことがあります」
オキシトシンとは友達と笑い合ったり、家族とスキンシップをとったり、ペットと触れ合ったりするときに分泌されるホルモンだ。愛情や信頼を育み、ストレスや不安を和らげる働きがあることから「幸せホルモン」とも呼ばれている。
一方、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれる。LOVOTのホームページに掲載されている情報によると、LOVOTと15分触れ合うだけで、このストレスホルモンが減少することがわかったという。初めてLOVOTに触れるひとでも効果があり、アニマルセラピーと同様の効果が示唆されている。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら