行革推進会議「秋のレビュ―」の使命とは何か

行政改革に不可欠なPDCAサイクル

公開の場での外部検証は時間等の制約もあることから、秋のレビューで取り上げる事業は選りすぐることになるが、公開検証の対象とならない事業についても、行政改革推進会議の事務局で検証を行い、問題があれば改善点などを指摘し、当該省庁に改善を求めるとともに、行政改革推進会議で報告を受けることにしている。

だから、秋のレビューで取り上げた事業だけしか検証していないわけではない。この方針は、初めて秋のレビューを行うことを決めた行政改革推進会議第6回会合(2013年11月6日)で了承された「秋の行政事業レビューの進め方について」に示されている。

秋のレビューでは、取り上げられた事業を所管する省庁の担当部局の方と、予算の査定や公務員の定員管理をする制度官庁(財務省など)の方をお呼びし、事業内容の説明を受け、行政改革推進会議の事務局から論点が提示され、民間有識者を評価者として、事業内容についての検証、議論が行われる(民間有識者は事前勉強会などを行ってその事業内容について詳細な情報を得てから議論に臨んでいる)。

河野行革担当大臣の「持ち込み企画」

今回のレビューは河野行革担当大臣の発言もあって、民主党政権期の事業仕分けと似ているという指摘もあった。現政権の秋のレビューと民主党政権期の事業仕分けの異同について、詳細は別の拙稿に譲るが、秋のレビューでは、パフォーマンス的に予算額の削減を主目的とした議論をするのではなく、事業内容について具体的な改善を要する点や今後の改善の方向性をともに考える形で議論を行うことが強く意識されている。

議論の対象となる事業の評価を行う民間有識者は、結論ありきで集めてきたわけではない。行政改革推進会議の下に、筆者が座長を仰せつかる歳出改革ワーキンググループが設けられ、評価者となる民間有識者はそのメンバーとして、行政改革推進会議の了承を得て評価を行っている。関係当事者でもなく何の資格があって偉そうなことを言うのかという批判があるが、民間企業で言えば「社外取締役」のような位置づけといえる。

今年の秋のレビューでは、河野行革担当大臣の「持ち込み企画」ともいうべき原子力関連予算を含むエネルギー・地球温暖化対策に関わる事業、スーパーコンピュータや国際宇宙ステーションといった科学技術ビッグプロジェクト、2020年東京オリンピック・パラリンピック関連予算、子供の学力向上に関連する事業、それに地方創生関連事業や医療と介護の主要成果指標(KPI)に対応する成果目標設定などが取り上げられた。

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