2020年度までの財政健全化が将来を決める

「財政に関する長期推計」が示す数値目標

「経済・財政再生計画」で掲げた歳出抑制に取り組むことが、新内閣の任務だ(写真:ロイター/アフロ)

10月9日に、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会財政制度分科会が開催され、私も一委員として加わった同分科会の起草検討委員から、「我が国の財政に関する長期推計(改訂版)」を報告した。

この「長期推計」の1つの焦点は、2020年度の財政健全化目標の達成に向けた早期の収支改善努力がいかに重要であるかを、確認するものである。財政危機をあおるためでも、消費税率を10%超に引き上げることを今すぐ決めよと訴えようとしているわけでもない。

中長期的視野が必要な財政運営

ただ、2020年度までの取り組みだけで、わが国の財政が安泰であるとはとても言えない。政府債務残高がGDPの2倍以上に膨らみ、さらなる累増が見込まれる。政府債務残高がかさめば、財政破綻を免れられたとしても、巨額の利払い費を他の財政支出よりも優先して国民からの税金を使って支払わなければなららない。

だから、政府債務残高を対GDP比で見ていかに減らしていくかも、現時点から視野に入れて財政運営をしていかなければならない。このことは、政府部内でも意識されている。

安倍晋三内閣が今年6月に閣議決定した「経済・財政再生計画」では、「2020年度PB(基礎的財政収支)黒字化を実現することとし、そのため、PB赤字の対GDP比を縮小していく。また、債務残高の対GDP比を中長期的に着実に引き下げていく」と明記している。2020年度の基礎的財政収支黒字化という財政健全化目標もさることながら、2020年度以降についても、債務残高対GDP比を着実に引き下げることを視野に入れている。

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