「鉄道&カーシェア」が出張族にうける理由 スマホで予約して24時間好きな時に利用
タイムズ24の内津基治タイムズカープラス事業部長は、「レール&カーシェアは、お客様の利用データから見えてきたサービス」と語る。
以前のカーシェアリングには、「車を所有する代わりに、複数の人でシェアするサービス」というイメージがあった。この発想は「共同所有」に近く、想定される利用者は主にステーションの周辺住民だ。
ところが、実際の利用データを分析していくと、イメージとは異なる使われ方をしていることがわかってきた。
「きっかけは、栃木県の宇都宮市にステーションを設置した時、近隣の方よりも東京の方のご利用が多いことに気付いたことだった」(内津氏)。宇都宮は、東北新幹線の停車駅の中でも特にビジネス利用が多い駅だ。周辺に工業団地が多く、ホンダの研究所や工場もある。そうした施設へのアクセスに、カーシェアが多く利用されていた。
渋滞避けられ業務効率アップ
地方都市に出張する場合、駅からのアクセス、いわゆる「二次交通」が大きな課題だ。企業の多くは郊外にあり、訪問者は駅からタクシーを利用するのが一般的だ。だが、問題は復路。業者の場合、帰りの車を用意してもらえることはまずなく、電話などで自らタクシーを呼ぶ必要がある。
しかし夕方以降になると稼働するタクシーが減り、長時間待たされることが多い。レンタカーは営業所の営業時間に縛られ、打ち合わせが延びた時に不便だ。その点、カーシェアは24時間好きな時に利用でき、時間延長もスマホから簡単にできる。これが、営業マンなど出張の多いビジネスマンに受けたのだ。
宇都宮での実績を基に三島や静岡など新幹線の停車駅周辺にステーションを増やすと、告知するまでもなく高い稼働率を示した。「ご近所同士での車の共有」からスタートしたカーシェアは、実は鉄道からの二次交通にマッチしたサービスだったのである。
こんな事例もあった。カーシェアを始めて間もない頃、都心のある企業が法人会員となった。この企業は、中央線沿線を中心とした東京西部を営業エリアとしていたが、以前は都内での渋滞に苦労し1日1~2軒まわるのがやっとだった。
そこで近くの駅まで電車を使い、駅周辺からカーシェアリングを利用するようにしたところ、1日に回れる軒数を増やすことができた。運転時間が減ることで業務中の事故リスクが減り、帰社時間も読めるようになるなど、業務効率が大きく向上したという。
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