「鉄道&カーシェア」が出張族にうける理由 スマホで予約して24時間好きな時に利用

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もちろん、課題もある。たとえば、最初の手続きの煩雑さ。ステーションは無人なので、必ず会員登録して免許証情報を提供したり、免責事項などの説明を受けたりする必要がある。最初の1回だけなのでむしろレンタカーよりも簡単なはずだが、「入会が必要」と聞くと敷居が高くなる人は多い。

レール&カーシェアはカーナビの画面から操作すると優待を受けられる

利用料金として使えるとは言え、原則として月額基本料金がかかるのも個人での利用には壁となる。オリックスカーシェアのように、月額基本料無料のコースを用意している業者もあるが、どうしても利用率は下がる。

最大の課題は、現状ではステーションが大都市に限られることだ。タイムズカープラスの場合、東海道・山陽新幹線については全駅の周辺に配置が完了しており、どこでもカーシェアを利用できる。だが、それ以外の地域は、まだまだ県庁所在地プラスαといった状況だ。今後の拡充も、現在需要が逼迫しているところの改善が優先で、「あったら便利そうだ」という場所への配置はその次の段階となる。

新幹線の停車駅は61駅をカバー

新幹線の停車駅については、現在104駅中61駅をカバーしている。将来的には100%の設置率を目指すというが、山形・秋田新幹線や北海道新幹線など、ハードルの高い駅もあるだろう。利用データを細かく把握できるだけに、採算を無視して面を広げることも難しいのではないか。

「電話を持ち歩けるようにした携帯電話は素晴らしい発明だ。それと同じように、車を自由に持ち歩けたらいいなと思う。どこまでできるかわからないが、徹底的に配備を拡げて、全国どこにでもマイカーがある感覚で車に乗れるようにしたい」(内津氏)

いかに契約者を増やし、どうやって利用率の低い地方へネットワークを拡げていくか。カーシェアは、かつての携帯電話会社と同じ課題を抱えているように見える。そのカギを握っているのが、鉄道会社との連携なのかもしれない。
 

栗原 景 ジャーナリスト

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くりはら・かげり / Kageri Kurihara

1971年東京生まれ。出版社勤務を経て2001年独立。旅と鉄道、韓国をテーマに取材・執筆。著書に『新幹線の車窓から~東海道新幹線編』(メディアファクトリー)、『国鉄時代の貨物列車を知ろう』(実業之日本社)等。

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