年に一度のノンストップ山手線に乗ってみた 大崎発・大崎行き団体貸切列車の正体とは?
途中駅に一切停車しない「ノンストップ山手線」をご存じだろうか。
回送列車であれば見たことがあるという人もいるだろう。だが、乗客が乗っているとしたらどうか。しかも、その乗客たちがホーム上の客に向かって「あかんべえ」をしたら、さすがに面食らうに違いない。
この列車は団体貸切列車「夢さん橋」号。毎年10月第2土・日・月祝の3日間にわたってJR大崎駅南口の自由通路で開催されるイベント「しながわ夢さん橋」のハイライトだ。
大崎駅を出発すると途中駅には止まらず、山手線をぐるりと一周して、再び大崎駅に戻ってくる。毎年、品川区の広報誌で乗車希望者を募集するが、もの珍しさもあって、11両編成の車両は1000人を超える乗客でいっぱいとなる。
マイナーな大崎を有名にしたい
ノンストップ山手線の発案者は大崎駅西口商店会の綱嶋信一さん。そもそものきっかけは1987年、大崎駅東口の再開発ビル「大崎ニュー・シティ」のオープンまでさかのぼる。
今でこそ大崎駅は周辺に高層ビルが林立し、りんかい線も乗り入れるターミナル駅だが、かつての大崎駅といえば、山手線の駅では鶯谷に次いで乗降客数が少ない駅だった。大崎で生まれ、大崎が大好きな綱嶋さんは、それがくやしくてたまらなかった。
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