年に一度のノンストップ山手線に乗ってみた

大崎発・大崎行き団体貸切列車の正体とは?

誰もが驚くイベントという狙いはまんまと的中し、ノンストップ山手線は「しながわ夢さん橋」に欠かせないイベントとなった。今年で28年目の運行となる。

地域住民だけでなく、障害を抱える子供たちも招待される。気兼ねなく普通の山手線に乗って、存分に楽しんでほしいという願いからだ。東日本大震災が起きた2011年には被災地の家族が招かれた。

山手線の団体貸し切りは、ほかに例がないわけでもない。過去には、車内で酒が飲めるイベント列車が運行したこともある。だが、28年にわたって続いているのは「夢さん橋」号くらいだろう。企業の損得ではなく、スタッフの熱意が原動力だからこそ、長続きするのだ。

運行列車に乗って見えたこと

「夢さん橋」号にはピーポくんも乗り込んだ(撮影:尾形文繁)

10月12日の運行当日。大崎駅は朝からイベントで大賑わいだった。13時過ぎには、切符片手に参加者が列を成した。

14時6分、「夢さん橋」号が大崎駅の外回り線に入線してくるのが見えた。ヘッドマークは付けていない。側面に「団体」と表示されていることで貸切列車だとわかる程度だ。

14時13分、スタッフの誘導に従って、参加者たちは整然と列車内に乗り込んでいく。スタッフたちの表情は真剣そのもの。綱嶋さんの喝が身に染みているのだろう。

およそ20分かけて全員が乗り込み、声優の中谷一博さんの「出発進行!」の合図で14時35分に五反田方面に向かって動きだした。その傍らには綱嶋さんの姿がある。道中の進行役を務める。

「駅では止まらず、ゆっくりと走ります。止まらないからといって、前を走る列車を追い越すわけではありません。約1時間かけて大崎駅に帰ってきます」と、参加者に本日の行程を説明する。

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