「うちは中堅社員がいない」→多くの企業が嘆くが…では、《中間層は一体どこに行ったのか》。退職を防ぐ「3つの方策」とは

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短期的には正しい判断に見えますが、長期的には組織の首を絞めることになるでしょう。

もう1つの大きな共通点は、マネジメント教育がほとんど存在しないという点です。

多くの企業では、「優秀だから」「成果を出してきたから」という理由だけで、ある日突然マネージャーに抜擢されます。

しかし、その瞬間から彼らは、誰も教えてくれない世界に放り込まれるのです。育成も、評価も、対話も、どれも技術であり、本来は学ぶべきものです。にもかかわらず、現場には「できて当然」という空気が漂っています。この当然という言葉ほど、人の自信を静かに、確実に削っていくものはありません。

そもそも、プレイヤーとマネージャーは、まったく別の職種です。プレイヤーは「自分の成果」で評価されますが、マネージャーは「他者の成果を引き出す力」で評価されるので、必要なスキルも、視点も、役割も違います。

その結果、プレイヤーとして輝いていた人ほど、マネージャーになった途端に苦しむことがあります。「自分は向いていないのではないか」「成果が出ないのは自分のせいだ」と思い込んでしまい、追い詰められることになります。

本来、マネジメントは技術であり、学ぶ必要があります。学ばなければ苦しむのは、ある意味当然です。優秀な人ほど、「できない自分」を責めてしまい、静かに組織を離れていきます。

中間層を守るには、期待ではなく「支援」が必要

中間層は、組織の真ん中で最も多くの感情と責任を受け止めています。

だからこそ、「期待する」だけではなく「支援する」ことが必要です。実際に、「若手へのラインケアは求められるのに、自分のメンタルケアは誰も気にしてくれない」、現場からは、よくこんな声を聞きます。

ですから、中間層を守るために以下の3つの方策が重要となっています。

①マネジメント教育を体系化する
②見えない仕事(感情労働)を評価する
③メンタルケアの仕組みを整える

これらは、組織が持続的に成長するため必要な投資です。

中間層は、割に合わない場所から、割に合う場所へ移動しただけです。優秀な人材を手放さないためにも、中間層を大切にできる企業が、これからの時代を生き残るのではと思います。

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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。内閣府などの官公庁をはじめ、大手企業等で6万人以上に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス・ハラスメント対策」を提供している。一般向けにメンタルアップマネージャ®資格講座を実施。著書に51万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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