「そう感じる人がいるからさ。気を付けてよ」と慰められたくらいでは、気持ちが収まらないでしょう。
そして、これを容認するわけにはいきません。なぜなら、それは「Aさんに食事に誘われたら嬉しい! でも、Bさんに誘われたらキモい……」となれば、完全に好みの問題となるからです。
これがプライベートの交友関係ならいざ知らず、組織の中でその認識が横行すれば無法地帯となります。
もちろん、受け手の感情を軽視してよいということではありませんが、主観だけが肥大化すると、職場のコミュニケーションは萎縮し、必要な指導すらできなくなる危険があります。
逆ハラスメントを引き起こす“3つの要因”
背景には、複数の構造的な要因があると思います。
1.コミュニケーションの絶対量の減少
リモートワークや効率化により、雑談や確認の時間が激減しました。
以前なら、やり取りを重ねているから理解できた関係性が、今は築きにくいのです。また、文字中心のやり取りでは、表情や温度感が伝わらず、ニュアンスをとらえきれません。
その結果、誤解を呼び、感情のクッションがないまま衝突が起きるわけです。
2.価値観のアップデート速度がバラバラ
ハラスメントに敏感な世代と、従来の指導スタイルを当然とする世代が混在する職場では、「普通」「常識」の基準が人によって大きく異なります。
例えば、1990年代までの社員研修では、「軽いボディタッチはコミュニケーション」とレクチャーされていました。触ることをよしとしていたわけです。
ボディタッチに関しては、昨今でも、異性はダメだけど同性なら大丈夫と思われている方が研修などを通じて多くいらっしゃることも実感しています。しかし、実際には同性同士の訴えは少なくありません。
私も何件も相談を受けたことがあります。「上司(同性)が後ろから近づいていて、肩をたたくのが嫌だ」といった具合です。


















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