声が大きいだけで訴えられた…広がる「逆ハラ」
「この資料の根拠を示してくれる?」
ある日、上司が若手社員にそう声をかけた。業務上当然の確認であり、決して強い口調でもなかった。
しかし翌日、その若手社員から「いつも自分だけが指摘を受けている。パワハラではないか」との訴えが人事に寄せられた。
上司は驚いた。根拠を確認するのは仕事の基本であり、叱責したつもりもない。だが組織としては、訴えがあった以上、放置するわけにはいかない。
こうした、業務の範囲内の対応をしているにもかかわらず、注意した側が“ハラスメント行為者”と言われてしまう現象が、静かに広がっています。いわゆる「逆ハラスメント」です。
また、「声が大きいだけで訴えられた」というケースもありました。
部下への指示や指導の際に、大きな声ゆえに「威圧的」「怖い」と。当人はまったく自覚がなく、単に声が大きいだけ。
しかし、受け手が「怖かった」と感じれば、それはハラスメントとして扱われる可能性があるのです。こんな訴えがあったと人事に呼び出された時点で、どうしてよいのかわからなくなるものうなずけます。
昨今のハラスメント基準は、「相手が嫌がることをしない」という受け手の主観が最優先される傾向にあります。意図や背景よりも、相手がどう感じたかが重視されるため、注意や指導が容易に攻撃と解釈されてしまうのです。


















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