「疲れ・ブレインフォグ・睡眠の質の低下」の元凶は脳と腎臓にあった? 最新研究が明かす「腸-腎-脳軸」相関と不調を改善する腸活習慣3つ

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2つ目は、毎日の食事に水溶性食物繊維を意識して取り入れること。

酪酸は腸内細菌が食物繊維を発酵させることで生まれるが、その原料として特に有効なのが、水溶性食物繊維だ。もち麦やオートミール、海藻、ごぼう、キウイフルーツなどに豊富に含まれている。

2022年にイギリスの『Gut』誌に掲載されたヒトを対象としたRCTでは、食物繊維の摂取量を増やすことで糞便中の酪酸濃度が有意に上昇し、腸内細菌叢の多様性も改善したことが報告されている。

先に触れたとおり、酪酸は腸のバリア機能を維持し、腎臓への毒素負荷を減らすカギとなる物質であり、腸-腎-脳軸を整える最も直接的なアプローチと言える。

そして3つ目は、水出し緑茶を飲むこと。

緑茶に含まれるL-テアニンは、二重盲検クロスオーバー試験という高度な臨床試験で、注意力や集中力への効果が報告されている。カテキンと腸内細菌の関係は研究によって結果がまちまちだが、リラックスしながら集中できる穏やかな覚醒を促す効果は期待できる。

腸活のプロが実践する対策

もっと確実に、腸内をマネジメントしたいのであれば、さまざまなデバイスやツールを使うのもいいだろう。ここでは、筆者が自身の体で実験し、データに基づき実践しているプロの介入戦略を提示する。

まずは現状をしっかり把握することだ。筆者は腸内フローラ検査(ショットガンシーケンス)を定期的に受け、腸内細菌叢を菌種レベルで把握するだけでなく、酪酸などの代謝産物を作る遺伝子の量まで確認している。

その結果に基づいて、パーソナライズしたプレバイオティクス(食物繊維などの菌の餌)を摂取する。筆者の場合は、もち麦を白米に混ぜたものとグァーガム分解物(サンファイバー)、サイリウムを毎日食前に摂取している。

プレバイオティクスの効果は個人差が大きい。腸内細菌由来の尿毒素だけでも複数あり、万人に効く魔法の食物繊維は存在しない。だからこそ、検査で自分の腸内細菌叢を把握し、仮説を立て、実際に試して体調の変化を観察する。この「検査→仮説→実験→検証」のサイクルこそが、パーソナライズの本質だ。

ビジネスにおいて、優秀な社員が働ける環境を整えるのが経営者の仕事であるのと同様に、あなたの体内にいる腸内細菌という社員たちが働ける環境を整えるのが、あなたの仕事だ。

腸を整えれば、腎臓への負担が減り、脳がクリアになる可能性がある。腸-腎-脳軸という視点を持ち、まずは自分の体の現状を把握すること。それが、あなたのビジネスパフォーマンスを変える第一歩となるはずだ。

下川 穣 KINS代表、歯科医師

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しもかわ ゆたか / Yutaka Shimokawa

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。
クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導を行う。
医療法人時代に、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌ケアによる根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。
 

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