「疲れ・ブレインフォグ・睡眠の質の低下」の元凶は脳と腎臓にあった? 最新研究が明かす「腸-腎-脳軸」相関と不調を改善する腸活習慣3つ
前述したメラトニン。実はこの睡眠ホルモンは脳の松果体だけでなく、腸管にも高濃度に存在するとする報告が多い。確実に言えるのは、“腸管がメラトニン関連の代謝において重要な役割を果たしている”ということだ。
特定の菌株のプロバイオティクスで睡眠が改善したRCT(ランダム化比較試験)も、報告されている。2023年のスイスの『Nutrients』ではヒトを対象としたRCTにおいてBifidobacterium breve CCFM1025(ビフィズス菌の特定株)が、2024年のアイルランド発の研究ではBifidobacterium longum 1714(同)が睡眠指標の改善を示した。
機序として、HPA軸(視床下部-下垂体-副腎をつなぐストレス応答システム)の調整、炎症の抑制、代謝物の変化などが提案されているが、詳細はまだ研究途上だ。
このほかにも詳述はしないが、腎機能の低下による尿毒素の蓄積も、睡眠構造を乱す要因となるとされている。腸内環境を整え、腎臓への負担を減らすことは、睡眠薬に頼らず朝すっきりと目覚めるための有望なアプローチである。
なぜ、休んでも疲れが取れないのか。そのカギを握るのが、酪酸だ。
酪酸は、腸内細菌が食物繊維を食べて生み出す短鎖脂肪酸の一種である。大腸上皮細胞が必要とするエネルギーの60〜70%を担うとされる。いわば、酪酸はハイパフォーマンスを生み出すための重要な燃料だ。
2025年の中国の『Scientific Reports』誌に掲載された山東中医薬大学のヒトを対象にした研究では、慢性疲労症候群の患者において腸内細菌叢の多様性が減少し、糞便中の酪酸濃度が有意に低下していることが報告された。
さらに、2023年のNIH(アメリカ衛生国立研究所)関連の研究では、酪酸産生菌であるFaecalibacterium prausnitziiの量が疲労重症度と逆相関していることが示されている。つまり、この菌が少ないほど、疲労が増すということだ。
あなたの疲れは、単なる肉体的な疲労ではないかもしれない。腸内の酪酸産生菌という優秀なパートナーたちが、餌不足で働けなくなっていることによるエネルギー不足の可能性があるのだ。
今日からできる3つの習慣
では、この腸-腎-脳軸を整え、パフォーマンスを最大化するにはどうすればいいのか。まずは、今日から始められる簡単な習慣を提示しておく。
1つ目は、朝起きたら水を飲む前に歯磨きをすること。寝ている間、口の中では膨大な細菌が繁殖している。起床直後に水を飲むのは、その細菌を腸へ送り込んでいるようなものだ。



















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