「疲れ・ブレインフォグ・睡眠の質の低下」の元凶は脳と腎臓にあった? 最新研究が明かす「腸-腎-脳軸」相関と不調を改善する腸活習慣3つ
腸-腎-脳軸の乱れは、ビジネスパーソンの日常に具体的にどう現れるのか。最もわかりやすい症状が、頭にモヤがかかったように思考がまとまらない状態、いわゆる“ブレインフォグ”だろう。
会議中に話の流れを見失う。資料を読んでも内容が頭に入ってこない。午後になると決断力が著しく低下する――。こうした経験に心当たりがあるなら、その一因として、腸内環境の乱れが生み出す代謝産物にも注目したほうがいい。
腎臓で排出されない毒が脳に…
腸内細菌のバランスが崩れると、「インドキシル硫酸」や「p-クレジル硫酸」といった毒素が産生される。これらは通常、腎臓で尿となって排出されるが、腎機能が低下すると体内に蓄積しやすくなる。
2020年のアメリカ『J Am Soc Nephrol』誌の動物を対象にした研究では、インドキシル硫酸がAhR受容体という部分を介して脳の血液脳関門(バリア機能)を低下させ、認知機能に影響することが示された。
ヒトでの検証はまだ途上だが、慢性腎臓病患者において同様のメカニズムが働いている可能性が指摘されている。
さらに注目したいのは、神経伝達物質への影響だ。2020年のイギリスの『Scientific Reports』誌に掲載されたラットを用いた研究によると、インドキシル硫酸の脳への慢性的な曝露は、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンの低下と関連しているという。
これも動物実験の段階ではあるが、これらの脳内物質は気分、モチベーション、集中力を司る物質であり、その低下がやる気が出ない、頭が働かないという状態に関与している可能性が示唆されている。
追い打ちをかけるのが、トリプトファン代謝の変化だ。
トリプトファンは幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となっている。腎機能が低下した状態では、腸内細菌によるトリプトファン代謝が進み、セロトニンやメラトニンの合成に回るはずの前駆体が減少することが、イギリスの『BMC Nephrology』の研究で報告されている。
このトリプトファン代謝経路の変化は、ヒトの慢性腎臓病患者でも確認されており、腸内環境と腎機能の乱れは、気分の落ち込みと睡眠障害という二重苦につながりうる。
腸-腎-脳軸の乱れが引き起こす問題は、認知機能の低下だけにとどまらない。睡眠の質もまた、この軸に影響されている。良質な睡眠を求めて高級な寝具を買う前に、まず見直すべきは腸の中かもしれない。



















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