「4年も練習してきて何でこんな失敗するの?」 ミラノ・コルティナ五輪で「にわかファン」が選手を"総叩き"の異常性…心ない声殺到の背景は

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日本オリンピック委員会(JOC)も、今大会では誹謗中傷対策としてミラノにオフィスを開設。弁護士などの6人が東京のメンバーと連携して、AIを活用しながら24時間体制でSNS投稿などを監視しています。

さらにJOCはMetaやLINEヤフーと連携してSNSモニタリングを実施。これまで以上に力の入った対策に事の重大さがうかがえます。

ただ、すでに1000件に迫る削除要請が行われていますが、それでもまだごく一部しか実行されていないなど、現時点では十分な対応とは言えないのが現実。

また、「誹謗中傷と言えるか」は微妙なものの、「対面では言えないレベルの非難や酷評」というグレーゾーンのコメントも目立ちます。今後は削除要請や本人への警告にとどめず、法的措置やモラル教育などを積極的に進めていくことが必要なのでしょう。

そんな問題山積でも選手たちにとってSNSが重要なものであることに変わりはありません。SNSは競技に関心を持ってもらうほか、自分の思いを発信し、ファンとの距離を縮めるなどメリットの多いツール。

特に冬季五輪の選手たちにとってSNSは競技の認知を上げ、活動収入を得るための重要なものになっています。

WBCやサッカーW杯でも同じ問題が起きる

そもそもスポーツにおける失敗は必ずしもよくないことではなく、むしろ「失敗があることが競技の醍醐味」「ヒューマンエラーではなく見どころの1つ」というニュアンスを含むもの。

だからこそ、人格や外見などを否定するような声は言語道断ですが、プレーについても「厳しい声は必要なのか」という疑問符を付けたくなります。

かつてのように家や居酒屋などで語る程度なら問題ないような言葉も、悪意が集積しやすく、本人に伝わりやすいネット上では、あっという間に数百倍、数千倍レベルの攻撃力になってしまうのが怖いところ。

26年はミラノ・コルティナ五輪のほか、3月のWBC、6月のサッカーワールドカップと、ビッグイベントが控えていますが、そのたびに誹謗中傷の問題が浮上するのではないでしょうか。

このようなタイミングこそ、選手が失敗したときに「自分1人の言葉くらい大したことはない」とみなして厳しい言葉を浴びせるのではなく、応援や励ましの声をかけられる国民性を世界に見せるチャンスなのかもしれません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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