「4年も練習してきて何でこんな失敗するの?」 ミラノ・コルティナ五輪で「にわかファン」が選手を"総叩き"の異常性…心ない声殺到の背景は

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

背景にあるのは、ネット関連を筆頭にさまざまなツールの発達と浸透。

対面でコミュニケーションを取る機会が減ったことで、相手の心境や過程をくみ取る力が下がってしまった。あるいは、自分のやりたいことに注力しやすくなり、「待つ」「控える」「我慢する」などの機会が減ったことで直情的な反応をしてしまう。

特にふだん見ていない競技と選手に対する共感性は低くなり、心ないコメントにつながっている感があります。

また、共感性の低い人ほど「これくらいは他の人も言っている」「彼らは国の税金も使っているわけだから」などと都合のいい解釈で自己擁護する傾向が見られます。

「知らない人がやっている知らない競技だからリスペクトしづらい」のは仕方がないとしても、過度な批判の必要性がないことはコメントしている本人が最もわかっているのかもしれません。

なかでもコスパやタイパにこだわる効率重視の人ほど、他人の感情や努力などの過程に鈍感になり、無自覚で他人を傷つけやすいだけに要注意です。

そしてもう1つ、各競技を見ていて気づかされるのは、採点などの結果を待っている際、両手を合わせて謝るようなポーズを取る選手の多さ。終了後のインタビューがはじまっても、最高の結果を残せなかった選手が謝る姿をよく見かけます。

これらは応援してくれた人への謝罪であるとともに、「失敗したらいろいろ言われる」というプレッシャーもあるのではないでしょうか。まだ10代の選手たちも謝るようなポーズを見せていただけに、新たな負担が加わっていると感じさせられました。

今大会は「SNSモニタリング」を実施している

振り返ると2024年夏のパリ五輪でも、選手や審判などへの誹謗中傷が問題視されました。また、組織側も一定の対策を取っていたことはあまり知られていません。

当時、国際オリンピック委員会(IOC)は、SNSなどで傷つけられた選手の心のケアを行うスペースを選手村に作ったほか、AIを使って問題投稿を自動削除するシステムを導入。今大会でもこれらは採用されています。

次ページこれまで以上に力の入った対策
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事