2023年には過去最高の売上も…ヤマハがゴルフ用品事業"完全撤退"の限界と誤算――中堅メーカーが直面した「質」だけでは越えられない壁

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ゴルフ事業には1982年に参入。楽器製造で培った金属加工技術や、FRP(繊維強化プラスチック)事業などでの素材開発力を生かし、「世界で初めてカーボンヘッドのクラブを開発、商品化を決定」という強力な武器を引っ提げてローンチ。ゴルフ界にインパクトを与えた。

ヤマハのカーボンウッドC-300(写真:ヤマハ提供)

ヤマハに追随するかたちで、他のゴルフメーカーが一気にカーボンヘッドモデルを採用。それだけゴルフ界にとっては、ヤマハのゴルフ事業参入は大きな出来事であったといえよう。

その後も新しい技術や発想を採り入れたINPRES(インプレス)、RMX(リミックス)シリーズなどを展開し、また、2012年賞金王の藤田プロや、2024年の日本オープンゴルフ選手権優勝者の今平プロなどの活躍で、中堅ゴルフメーカーとして確固たる地位を築いた。

2023年のシニアオープンで優勝した藤田プロ(写真:筆者撮影)

参入から44年目の撤退のワケ

参入から44年目の撤退の理由として、ヤマハは「海外ブランドを中心とした競争の激化、為替変動や原材料費の上昇による収益構造の悪化、ゴルフ人口の減少や需要の変動などによる事業環境の厳しさ」を挙げている。

そのうえで、「構造改革や収益改善策を検討実施したが、当面の業績回復および中長期的な成長を見通すことは困難な状況で、経営資源を競争優位性の高い事業分野および成長分野へ重点配分する」とした。

先日の発表によると、2025年3月期のゴルフ事業の売上は33億3300万円で、事業利益は10億600万円の赤字。売上もヤマハ全体の0.7%にとどまっている。

では、ヤマハのゴルフ事業が苦戦続きだったかというと、決してそうではない。

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